第22話

 妹の静葉に連れられ、私はリザベルの書が保管されている保管庫へと辿り着いた。


 辿り着いたのだが――――


『貴様らに話す事は何もない! 早々に立ちされ!!』


 何故か、保管庫に入って早々リザベルの書と戦闘状況に突入していた。


 さっきから剣やら槍やらが絶え間無く飛んで来て正直言って怖過ぎる。


「ねぇ、静葉……」

「はい。お姉様……」

「何でこうなるの……?」

「さあ……?」


 私達はすぐさま入り口近くにあった柱の背に隠れると、呑気にそんな会話しつつとりあえず静葉は後ろ腰の二振りの脇差わきざしを引き抜いた。

 そして、私は一応静葉から持つよう強要……否、渡されていた刀に手を掛けるが……ふと、先日のリザベルの事を思い出す。


 あの時のリザベルの様子は少し可笑しかった。


 寂しげにしていたのもそうだが、私の元を去る前の時のを―――――


「お姉様……?」


 考え込んでいると静葉が不意に私の顔を覗き込んでくる。


「何でもない……」


 キョトンと首を傾げている静葉にそう言うと剣と槍の雨の中へと駆け出した。

 

 

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