《時制を外れた不用意な断章、あるいは物語の終焉》
※
胸の炎は痛みに変わり、
重たい夜気が、この身を包む。
星のない夜空、
立ち込めるオゾンの匂い、
か細い虫の声、に混じる、啜り泣きの声。
『失敗か』
昔聞いた声が、わたしに告げる。
『違うさ』
と、わたしは言う。
まだ、終わりじゃない。
語り手は、一人ではないのだから。
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