豚公爵に転生した主人公が、従者で、しかも亡国の王女であるシャーロットとの愛を貫くため戦う、そんな話です。
主人公はカッコよさもあり、また、【豚公爵】と言われる面白さも持ち合わせており、つい応援したくなります。
登場人物の一人一人に個性があり、例え敵であったとしても主人公と戦うに至るまでのストーリーがあり、彼ら自身の信念を持っていて、出てくるキャラクター全員に愛着がもてます。
インターネットと書籍版ではキャラの性格と、ストーリーに違いがあり書籍版を買ってもページをめくる手が止まりません。(特に4巻あたりから別物のストーリーになっています)
時系列が少しわかりにくい部分は書籍では整理されています。
何度も読み返したくなる作品でした。
あと、ナナトリージュがかわいかったです。(書籍ではカッコよさとラスボス感が倍増していて嬉しかったです)
ぜひカッコかわいいナナトリージュを読んでみてください!
本作のコミカライズ作品を読み、どうしても原作を読みたくてカクヨムのアプリを入れた。
読み始めた当初、それほどこの作品が好きだった。
愛するあの子のために行動を変える主人公。総てはヒロインのために。幼き日に交わした約束を果たすために。
そこには主人公の明確な意思があった。愛があった。
私はそんな彼の一途さに惚れていた。
だがしかし。
最新話まで読んだ今となっては本作は駄作であると断言しなければならない。
少なくとも最新話まで読むのは時間の無駄だと思う。
この作品をダメにしてしまったところは2つある。
1つ目は、主人公が自分の才能に慢心しきっている点。戦いの中に必死さがなく、燃えるほどの戦いがない。常勝無敗を誓うなら出来る限りのことをする必要があるだろう。才能だけじゃ太刀打ちできないことなんて沢山あるはずなんだ。想定してたようにことが進まないなんて、日常でさえよくあるのに。
2つ目は、物語が進行していくにつれ、ヒロインへの愛情は薄れていくばかりか忘れ去られていた点。体裁だけの〝好き〟に堕落していた。愛する二人が離れているなら互いを想って物思いに耽るシーンがあってもいいのに、そんな描写は全くない。
思い出せ、睦言を交わすことなくヒロインを寝取られ、奴隷として果てたことを。
設定はとても面白いのに、書籍化の波で名作が駄作に成り下がったのは本当に残念だ。私のような犠牲者が少しでも少なくなることを願う。