設定が面白いし、なにより天才発明家のズレっぷりがいい。そして、流れでこの落としどころは、まさに意表をついている。綺麗に一本取られて、あとから笑いました。
とっても完成度の高い短編でした。勉強になるなぁ
引き込まれて、結末で見事に「やられた!」という気になりました!これはネタバレにはならないと思うのですが、「ナンデモツクッチャウゾー初号機」という、安直そうなネーミングが、実はかなり周到な計算の上に選択されているように見受けられます。最初から「何でも作っちゃうぞー」という名称なのだから、最後にアレが作れても、……読者としては、いったん受け入れただけに認めざるを得ません。参りました。
タグにあるように星新一風のSFショートストーリーです。ある研究者が五十センチ立方のものならなんでも作れちゃう機械を発明する。親友のAは女が欲しいと言い、いろいろ試すのだが……。オチに納得。ストンと落ちます。
主人公が、友人の為にひたむきにがんばる理由がなんとも切なかったです。友人の願いが叶うことで、自身は悲恋を味わうわけですし。最後の女性を獲得する条件を皮肉った一文が、いい感じに悲壮感を拭い去っていると思いました。
50センチ四方の物質しかつくれない、その制限を巧く活かし、ヒネリのきいたSF短編となっています。 天才発明家とAとの関係性が話をより面白くしているかと思いました。一人称の中に感情をあまりみせない点でも、さらに気もちが切なく伝わってきて良かったです。
これぞショートショート。これぞSF。ひょんなことから始まり、展開が二度、三度と動き回って最後には毒のきいたオチが待っている。作者様の言う通り星新一を彷彿させる作風であり、しかしながら確かな新風を感じられる。
ストンと話が落ちて、ついニヤリとしてしまった。BL風味とあるが、全く気になる事なく最後まで楽しめる。キャッチコピーどおり星新一風ショートショートである。