“空”を飛ぶのに必要な気持ちをくれる、ジャンル不明の“童話”

幻想<ファンタジー>でなく、
この世界<現代>ともいえず、
未来<SF>とは少し違い、
恋愛<ラブコメ>というには硝煙臭く、
物語<ドラマ>というには固く、
恐怖<ホラー>は感じず、
勿論過去<歴史>でも
実体験<エッセイ>でもない、
だからと言って童話<その他>にしては刺激が強い。

そう、これは正しく、【強盗童話】なのだろう。

「魅力的」という単語で片付けるには足りない。
「格好良い」も正解だけど何かが足りない。
「引き込まれる」で終わらせたくない。

どうにかこうにか、自分が納得できる言葉を探して口にするのならば、
「同じように“空を飛んでみたくなるお話”である」とでもいうべきか。

――文章を、文字を書く・書いた経験のある人間が、
「もう一度、自分の小説を書いてみよう」
そんな風に思わせてくれるぐらい、“ミせられる”作品です。