第2話 初陣の青空
イスルがアレックスの講義をしてから一週間がたったある日の出来事であった。私は、いつも通りに射撃練習をしようとしたその時、急に空母とイージス艦から警報音が鳴り響いた。空母の甲板では、発艦搭乗員や整備士などが大慌てで準備をしていた。私はは上空で待機していたがアレックスからの無線が入った。
「イスル、聴こえているな。一時着艦してこい緊急発進(スクランブル)要請が入った」
「あ、はい」
私は着艦してみるとそこはまるで戦争映画の世界に入ったかのような感じであったが本格的な戦闘準備であった。彼女がユニット装備し、発艦の準備に入っていて私が着艦後に彼女から声を掛けられた。
「イスル、緊急発進ですまんがミサイルの講義はなしだ。そのまま実戦でやるから兵装の準備と装備説明は発艦搭乗員たちがしてくれるから、今すぐ装備して発艦するように」
「はい」
私の会話の後、彼女はそのままカタパルト台まで行きそのまま発艦した。次の発艦までは時間がかかるため、発艦準備ができた『F/A-18Eスパーホーネット』が次々と発艦していく最中、私は発艦搭乗員の指示で戦闘準備が進められた。
「イスルさん、この装備があなたの装備です。」
私の右横に専用装備の準備が進めながら装備説明が入った。
「この装備は『ウエポンボット』いいます。戦況に応じて多種多様な装備が積め、ミサイルなどの装填が可能です。装填用のミサイルは、クロニクル専用の空間BOXにしまっておきます。自由に取り出せますのでご安心を。それと今回はアレックスさんの指示でイスルさんは対空装備の準備はしておきました。追加装備とかあればすぐに準備に取り掛かります。後、軽機関銃の方は一回再装填しておきます。あと3セットほどの予備マガジンも装備しております」
私は専用の装備を見て考えていた。
「通常ミサイルと『SAAM(Semi-active Air-to-Air Missile(セミアクティブ・エア・トゥ・エア・ミサイル))』で、SAAMは長距離戦では高い誘導性がいいが、複数戦となるとこの装備は不向きとして……」
私は、装備説明をしてくれた発艦搭乗員に装備変更の指示をした。
「すいませんが、このSAAMと対空用でマルチロックの『6AAM(6 target Air-to-Air Missile(6ターゲット・エア・トゥ・エア・ミサイル))』との交換をしてくれませんか?」
「イスルさん了解です。SAMMと6AAMに装備切り替えだ。40秒で準備させるぞ!」
『6AAM(6 target Air-to-Air Missile(6ターゲット・エア・トゥ・エア・ミサイル))』とは複数の敵に対して有効な能力があるが誘導性に欠ける点あるため扱いには少し難しい点がある。
発艦搭乗員は、イスルの指示ですぐざまSAAMと6AAMの装備切り替えが進み、1分半後には装備切り替えと弾薬補給が終わり、発艦準備が出来でていた。艦搭乗員の指示でカタパルトへの誘導が始まり、誘導後にはカタパルト発進の準備をすませてから管制官の指示で発艦した。空母から発艦した私は、フルスロットルで彼女がいる部隊を追ってゆき5分後には、私は息を切らしながらやっとの思いで彼女がいる部隊に追いついたら彼女から無線が入った。
「イスル、結構遅かったな。何かあったのか?」
「いえ、私のわがままでSAAMのとこを6AAM変更して時間がかかっただけです。」
「ならいいのだが、それよりも軽く説明するが、ウエポンボットは、HUDと連動しているから、ロックオンに関しては、自動でやってくれる以外に関しては練習での機関銃と同じだ。そろそろ戦闘地域に突入するから、イスルは、深追いと無茶は絶対にするなよ」
「はい」
話しているうちに支援要請があった空域に突入する私たちは、戦場を目の当たりにする。上空では航空自衛隊と米空軍がマーズと交戦しているが劣勢で、地上も同じように劣勢を強いられていた。そして、空中管制官から無線が入る。
「こちら航空自衛隊13航空隊の空中管制官『鷹の目』だ。貴軍の所属確認を」
彼女が無線で所属部隊を言った。
「こちら、FAPA所属のオリンだ。国連本部の支援要請で貴軍の援護しに来た」
「空中管制官、了解。支援に来たオリンだな。本部から連絡は受けている。貴軍の支援に感謝する」
「了解だ。そんで、敵戦力はどんな状況だ?」
「敵はMiG-21の形ノーマル級と地上はT-64の形をしたノーマル級が多くいる。経った今、地上戦力は押されている状況だと無線で連絡があった。すまんが数機支援に回せないか?」
「了解した、各自、自由戦闘し、日米連合軍を援護し、マーズを排除するぞ。全機散開!!」
彼女の指示で、後ろで飛行していたF/A-18が一気に散開し、マーズに対してミサイルの攻撃が始まり、彼女から無線が入った。
「イスル、お前は上空の敵を一掃してくれ。その間にアタイは劣勢の地上部隊の支援に行くから」
「はい」
私は彼女の指示でマーズとのドッグファイ戦に入った。両軍がミサイルの攻撃で落とされる両軍機、ロックオンアラームが鳴り響きながらの戦闘、まるでどこかのゲームでやっていたかのような空戦だった。私は、一機のマーズの背後を取った。
「いただき、『FOX2(空対空ミサイル発射)』FOX2!!」
私は、右手に持っていたウエポンボットから通常ミサイルを発射し、マーズに命中。そのまま爆破し、マーズの破片が地面へと落ちて行った。
「敵機に命中確認。ミサイルアラーム……うあぉ!!」
私は間一髪で真正面から来たマーズのミサイルを回避した。
「危なかった。さすがにアラームが無かったら撃墜されていたが、やってくるならやり返さないとやられる」
私は一気に急転回し、ミサイル撃ってきたマーズに対してドックファイトを仕掛けた。
「さすがに鼠のように逃げますが、アレックスさんに鍛えられた空戦で追える」
激しいドックファイトで、ミサイル撃ってきたマーズは、私が撃ったミサイルをフレアで回避し、私の後ろにつけようと一気に急ブレーキ掛けたとのを私は待っていたかのような感じで、背中に積んであった機銃を左手で持ちマーズのコアである赤黒いクロックコアの部分を撃ちぬきマーズはコアが壊れた衝撃で木端微塵となりその破片は落ちてゆく。私は、落ちてゆく破片を見ていたら破片の中に白銀に輝くひし形の石を見つけ、私は左手に持っていた機関銃をしまってからフルスロットルで左手を伸ばし、間一髪でひし形の石を手にした。
「これは……クロックコアだよね。それも前にアレックスに見せてもらった標本より大きい……」
私は彼女に無線で交信した。
「アレックスさん、大きなクロックコア確保しました。」
「了解だが、回収は後回しだ。イスル、あんたが持っていろ。先に侵攻してきたマーズを倒してからうちの回収班に渡してくれ」
「はい」
私が上がろうとしたその時、煙の中から制服を着た二人の男子がマーズから逃げているのを見かけた私は、迷わず通常ミサイルを発射しマーズを撃破したら白銀に輝くクロックコアが爆破の衝撃で飛んできた。今さっき取ったクロックコアより少し小さめだがクロニクルとしての機能は変わらなかったが、連続で2つのクロックコアが出るのは、奇跡近いほどであった。私は、マーズから逃げてきた二人の男子に声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だが、後輩の智也を助けてやってくれ」
イスルは、助けた男子の顔を見た。それは、親友でもある境空と部活の後輩でもある相川智也だった。イスルはクロニクルなった以上、本名を名乗れない。なぜなら公式では行方不明扱で、公になれば大問題になる可能性が高いからである。私はわざと知らないふりをしながら、智也の右腹を見た。マーズの鎌を運よく交わすがかすり傷ではない大きな切り傷から大量な血が流れていて、左手と血で赤く染まった白いタオルでなんとか止血していたが、意識自体もうろうとした感じで、そう長く持たない感じだった。私は男子二人を近くの公園まで護衛し、重症の智也を近くのベンチで横に寝かせて安静にした後、すぐさま無線で救助要請を掛けた。
「こちら、イスル。空中管制官より打電。至急救護ヘリを要請したい、避難民2名のうち1名重症、繰り返す1名重症。至急救護ヘリたのむ」
「空中管制官鷹の目、了解した。イスルがいる座標的に準備が整い次第5分でそちらの地点までに向かわせる」
「5分!?無理だよ。せめて3分で向かわせて、重症者は意識がもうろうとした状態なのよ」
「了解した。近場の救護ヘリを3分で向かわせる。その間に避難民の護衛を強化せよ」
「了解です」
無線を終了した私は、ふと手左手に持っていたクロックコアと今さっき倒したマーズから出てきたクロックコアの2個が、急に白銀に輝いていたのが黄色く光りだした。私は、彼女にすぐさま無線をつないだ。
「アレックスさん、クロックコアが急に黄色く光りだしました。」
「イスル、そこにクロニクルの適合者いるか?」
「避難民2名がいますが……」
「多分、その二人だ。救難ヘリにも適合者の回収を進めさせるように空中管制官と通信を取るから避難民の護衛だけは怠るなよ」
「はい」
彼女との無線を切った後、私は周囲の警戒をした。いつマーズが現れてもおかしくはないようにウエポンボットとM60E4改の弾薬チェックをした。
「まだ、弾薬はたりるがM60E4専用の200発入りのマガジンが2箱と残り98発で6AAMが18発と通常ミサイルが20発残っているのなら何とかなりそう」
イスルが二人の防衛をしてから3分後に自衛隊の救難ヘリから無線が入った。
「こちら、海上自衛隊の海鳥(かいちょう)、こちらでも確認した。公園近くの中学校に着陸するがいいか?」
「ダメです。こっちには重症者がいるのであまり動かせないから、早く乗せて!」
「了解だ。高度20mでホバーリングして救……」
その時、イスルの無線機からアラーム音が鳴った。
「海鳥、ミサイル接近中こちらに……」
その時、一発のミサイルが救難ヘリに命中しそのまま私たちの方に落ちてきて来た。
「くそ、テールローター部分を撃たれた。墜落するぞ、衝撃に備えろ」
「やばい、こっちにくる……」
イスルは二人の男子を庇うように守った。間一髪で私の背中わずか1mまで救難ヘリのメインローターの翼が来てそのまま公園の横にあった家に激突して止った。
「危なかった……」
私は男子二人をその場において墜落したヘリの元へ向かった。墜落した救難ヘリは何とか原型をとどめていたがパイロット2名のうち1名は、意識があり頭から酷い出血と右足を複座骨折し、もう一人は意識がなかった。そのヘリに乗っていた隊員は自力で出てきて、私は自力で出てきた隊員に声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、パイロット2名はどうなったのだ?」
「1名は意識が無くて、1名は意識があるが右足が複座骨折と頭から出血しているからあまり動かせない。」
「解ったが、無線が壊れているから連絡が取れん。畜生!!」
「なら、私が空中管制官に連絡取ってみます」
「すまない、助かる」
私は空中管制官に無線連絡を掛けた。
「こちらイスル。空中管制官応答を」
「空中管制官鷹の目。どうした」
「救難ヘリがマーズの攻撃により墜落。一名が意識不明、もう一名が重症を負った。至急支援ヘリを出したい」
「了解だ。そちらにオリンの救難ヘリが向かっていると連絡があった。そちらから約5分後に到着予定だ」
「了解です」
私とヘリに乗っていた自衛隊員と一緒に負傷したパイロット二名と墜落して奇跡的に無傷であった簡易医療キットを男子二人がいる所まで運び三人の応急処置を行った。奇跡的にも意識不明のパイロットは意識が戻ったが、墜落の衝撃で腰骨と左で腕の骨が骨折し起き上がれない状況だった。私はこの後も護衛を続け、5分後にはアレックスが護衛しながら救難ヘリが到着した。
「イスル、護衛ご苦労だった。今の戦況はこっちが押し返したところだ。そんで、クロックコアが反応したのは本当か?」
「はい、二体目と三体目のマーズからクロックコアが出てきまして、男子学生二名の可能性が……」
「うむ、確かに空母に来てもらって確かめないといけないし、仮に適合と者となると後からの言い回しをしないといけない事になるからな」
「ですね」
私たちが話している間に重症者三名をヘリに乗せ、その後から二人を乗せたと隊員から伝言を聴いたのちに私が回収した。クロックコアをオリンの隊員に預け、私たちが先に飛び立ち上空での護衛につきながらヘリが飛び立つ、その後はヘリがミッション圏外までの護衛任務となった。私は護衛中に違和感を少しながら感じていた。
「なんだろうか、北の空から不気味な空気が漂ってくるし、最悪何か起きそうで少し怖いな」
私は違和感を抑えきれず昨日やっと制御が出来た猫耳と尻尾を出し、北の空を見ながら心を解き澄ませたら、何か大きな物体が飛来する気配が見えて空中管制官に無線で報告した。
「こちらイスル、空中管制官聞こえますか?」
「聞こえている、どうした?」
「こっちに飛来する大きな物体が見えたのだがそちらではどうですか?」
「レーダーやレーダー施設などからは、今いるマーズ以外は何も映ってはいない」
「了解です」
私はこっちに飛来してくる大きな物体が最悪なことが起きそうで、怖かったため、隣に飛んでいた彼女と無線で会話が始まった。
「アレックスさん、こっちに飛来する物体が来ていますがどうしますか?」
「管制官との無線を偶然に聞いていて、空中管制機のレーダーをすり透けるのは難しいと思うがどうかはアタイには解らないが、イスルを信じるからな」
「はい。しかし、空中管制機のレーダー網をいとも容易く避けられるとしたら……」
私は、ふとあのシステムを思い出す。
「多分、『ステルス』の可能性が高い……」
私が言っていた『ステルス(Stealth)』とは、日本語に略すと(こっそりする)とか(隠れる)で、レーダー施設からの電波を吸収や拡散反射させるなどのことを意味する。今でもステルスに関しての研究が進められており、有名どころとしては、米軍のステルス戦闘機の『F-22』や『F-35』などが出る方多いでしょう。でも、ステルスミサイルが敵であるマーズの方で完成や所持している時点でとてつもなく厄介である。
私は、もう一回研ぎ澄ましたら、最初に察ししていた大型の物体が大型のミサイルで最初は、一つだったのが離れてもう一つの大きな物体が現れて、二つになっていた。そして数十秒後には、私の嫌な予感が当たっていた。北の空から飛んできた大型ミサイルが作戦空域内の空中で大きな爆発をし、その爆発に巻き込まれた連合軍機が次々と落ちてゆくがほとんどはベールアウトした。一発のミサイルの攻撃で優勢であった連合軍の指揮系統に大きな乱れが出始めた。
「こちらイーグル1、今の爆発は何だ。空中管制官指揮を問う」
「あの大型ミサイルどっから来たのだ。レーダーにも映らなかったぞ」
「空中管制官指示を問う」
「空中管制官鷹の目。現在、無線が混乱状態です。混乱状態しないようにしてほしい」
「そんなことができるか、仲間が落ちたのだ。早く指示を……」
「くそお、機体の制御不能だ。ベルーアウトする!!」
「もう一機が落ちたぞ!」
私たちは救難ヘリの護衛をしながら無線をきいていた。
「アレックスさんやばいことになりましたね」
「ああ、確かに大型ミサイルで連合を混乱させるとか、敵ながらやってくるな」
「ですね」
護衛していた救難ヘリは作戦空域外に撤退を確認したのち私たちはすぐさま戦闘中域まで戻りながら私は、考えた。
「こうなると、私の猫耳と尻尾で大型ミサイルを察し出来れば……。はっ!これならいけるかも」
私はすぐさま、空中管制官に無線をつないだ。
「空中管制官聞こえますか?」
「空中管制官鷹の目、どうしましたか?」
「こちらに大型ミサイルの進路と進行速度のデータを転送します。第2射以降の爆破範囲と爆破高度の算出と連合軍各機にそのデータの転送をお願います」
「了解した。すぐさま算出させます」
私は、戦闘しながら大型ミサイルの進路と速度のデータを空中管制官方に送信し、空管制官では私から送られてくるデータを元に爆破範囲や爆破高度を算出し、算出したデータを連合軍各機に送信した。
「こちら空中管制官鷹の目、イスルさんが送ったデータの算出をしました。ご確認を」
「了解しました。こちらでも算出データをもらいました。うぁ…マジですか」
私は青ざめた顔になった。それもそのはず爆破範囲が半径500mの爆破高度が30m~5000mする対空弾頭ミサイルである。空中管制官は爆弾の種類まで調べてくれていた。幸いにも核反応が無く気化燃料爆弾型と断定したが、とてつもない爆風が戦闘機にあればほとんど落ちる。爆破予測位置をマップ上に照らし合わせていたら、空中管制官から無線が入った。
「空中管制官鷹の目、レーダーに新たなマーズが等空域接近中を確認。至急応戦せよ。繰り返す、至急応戦せよ」
「さすがに休む暇を与えない気だな、イスル応戦するぞ!」
「はい、アレックスさん」
それと同時に劣勢だったマーズが一発のミサイル攻撃と増援で息を吹き返したかのように一気に反撃しかけてきた。連合軍は増援してきたマーズとのドックファイトが始まった。マーズの大型ミサイルの爆風の最中での戦闘が始まる。大型ミサイルの爆風が飛び交いながらの戦闘で多くの連合軍機が墜落していく。私たちも爆風の最中を飛んでゆく。
「ロックオンアラームが鳴りっぱなしでどれがミサイル追尾しているのか解りづらい!」
「アレックスさん後ろにマーズに付かれています」
「やば」
アレックスは振り切ろうと一気に右に急カーブするがマーズがそれにつられるように追尾してくる。彼女はあの手この手で振り切ってもマーズが追尾してきて、イスルは彼女がマーズに付かれ、おまけに振り切れない状態に気づいて急転回した。
「こいつ、しつこい。どこまで付いてくるのだよ!」
「アレックスさん、私がやります。それまで持ちこたえてください」
「イスル、早くしてくれ」
「はい」
私は彼女に付いているマーズの後ろに着いた。そして、仕舞ってあったウエポンボット取り出し、狙いを定めた。
「はぁはぁ……激しい逃げ方で、ミサイルのロックオンが定まらない」
「イスル、急いでくれ。これ以上を持たない」
「解っていますが、マーズの動きが早すぎて狙いが定まらない」
「こうなったらあれやるしかないな。イスル、アタイが数秒だけまっすぐ飛行するからその間にねらえ」
「でも、それだとアレックスさんが落ちる可能性が高くなります」
「イスル、こうなると一か八かだ。1、2、3の合図で、一気に直進するぞ。いいな」
「はい」
「行くぞ、1、2、3!!」
アレックスは直進での飛行になった。マーズは彼女の隙を逃すまいと機銃を撃ちまくるが、その後方から私がマーズにロックオンをした。
「もらった。FOX2、FOX2!!」
私は通常ミサイルを発射し、彼女の後ろに付いていたマーズに命中した。
「イスル、ナイスキル」
「さすがにひやひやしますよ。アレックスさんはさすがにひやひやさせないでください」
「すまないな、この借りはどっかでかえすから一時もらっておくよ」
その後、あの爆風やマーズの増援にもかかわらず連合軍が優勢を取り戻しながら2時間後には強襲してきたマーズの部隊は全滅した。私は北の空を見て少し思った。
「マーズの増援と大型ステルスミサイル……こんな終わり方で本当にいいのかな?」
この戦闘の連合軍の戦闘機と地上防衛戦力の損害が約6割とゆう痛手を負った。私たちの部隊はそのまま帰投に付いた。その帰投中にアレックスから無線が入る。
「イスル、初陣ながらいい戦果だな」
「いや、それほどでも。でもミサイルの弾薬数が底つきました」
「あはは、アタイもとっくのとんまに爆弾の弾は底ついているさ」
「はあ」
「後、救難ヘリは無事に空母に到着し、今衛生班が病室で治療を行っているそうだ」
「そうですか、よかった」
「それより、そろそろ空母見えてきたら着艦の準備はしておけよ」
「はい」
私たちは空母に次々と着艦する。空母の甲板では着艦してきた航空機の整備や戦闘でけがをしたパイロトを搬送していた。私たちは武器を外したのちエレベーターに乗って下のハンガーまで下りたのちユニットを固定する土台にユニットをセットしたのち、私は疲れた様子を見せずに病室に向かうとそこでは多くの衛生兵があわただしく、私はミストに話を掛けた。
「ミストさん、空達はどこにいますか?」
「そこのカーテンの向こうにいますよ」
「ありがとうございます」
「そうだった。イスルさん、今艦長と副艦長が……」
私がカーテンを開けるとネプチューン艦長と副艦長が空達に今起きていることを話している最中だった。
「あれネプ艦長、まさかですけどお話し中でしたか?」
「そうですが、何か問題でも」
「いえ、なんでもないです」
私はカーテンを閉め射ようとしたら艦長に止められた。
「イスルさん、ちょっとお待ちください。今さっきあなたの話をしていました。すいませんが少しでいいのでここに来てください」
「はい」
私は中に入ってカーテンを閉めてその場に立ったままネプチューン艦長は彼達に今の状況や私の事を詳しく話し始めた。
「まだ寝ている智也さんには起きた時点で事情は話しますが、先に空さんには今起きている状況を教えます。空さん、貴方の血液を調べた結果ですが、クロニクルとの適合反応がありました。それによって貴方には私達、オリンの方で預かる事になりイスルの事も知っておく必要がります。イスルさん本名を言っても構いません」
「はい」
私は座っていた空の前でしゃがんで両手を空の肩に乗っけて話した
「空さん、いえ空。実はいままで隠してごめん。適合者だけ本名を名乗ってはいけなかったので……」
「イスルさん、まさかと思うが貴方は……」
「そう、私です。澤本幸一です」
「本当に幸一なのか?」
「本当です」
「公式では行方不明扱いだったはずなのに生きていたなんてオレは……」
彼は目から涙を流しながら前に泣き倒れそうになった所を私はそっと抱きしめた。
「空、本当は、私一回死んでいますが生き返ったらこの体になっていた。でも生きていたのが不思議で運命かと思うほどで……」
彼は泣き納まるまで抱きしめた。それをカーテンの外で聴いていたアレックスはいつものポケットに入れてあったサングラスを取り出してそのサングラスを掛けながら密かにその場を後にした。それに気づいたネプチューンは少しほっとした感じで小さく言葉に出した。
「アレックスもやっぱり心配していたのだね
Ace Chronicle @namonakiRD
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Ace Chronicleの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます