第1話 民間軍事会社 オリン

 俺は心拍機の目を覚ます。そこは病院の病室の天井を見上げていたけど違う。上下に揺れている感じはあった。俺は体を起こしてみると病室であったが扉が厚くまるで船内にいるみたいだった。そして、見回りだろうか青色の迷彩色の服を着た女性兵士が来た。


「あら、起きたみたいだね。おはようと初めましてだよね。自分は原子力空母ネプチューンの病室長のミスト・ナイチンゲール衛生曹長よ」

「本当に原子力空母の中なの?」

「そうよっても、民間軍事会社が所有する空母だけどね」

 俺は今置かれている状況についてミストに質問した。

「じゃあ、聴くが俺は一回死んだのか?」


 彼女は俺の質問に答えるかのようにテーブルにあった。俺の名が書かれた資料ファイルを手に取りそのファイルを開いて俺に見せた。


 俺は理解した。あれが夢ではなく現実だと実感はした俺はあの時にマーズの攻撃をもろに食らって一回死んだのだ。だが、どうして生きているのかが不思議にしか思えなかった。


 不思議そうに思っているのを察した彼女は、置いてあった資料の横にあった長方形の鏡を手に取って俺の目の前に置いた。


「そうよ。あなたは男性で一回死んだけど今日からは女性として生きていかないといけないの」


  俺は鏡を見た。そこに映っていたのは女の顔になっていた俺だった。


「これが、生まれ変わった私なのって、あれ声や口癖まで女になっていることは……」


 俺じゃなくて私は体を見たら上着が学校指定ワイシャツで隙間から大きな胸が見え、下着が女物であった時点で女になったことを理解した。


 そんな事をしていたら、扉から軍服を着た男女3名が入ってきた。左の男性は見た限り歴戦をくぐり抜けたベテランな感じで、中央の女性は軍の正装を着ていて艦長な感じがしていて右の女性は軍服の上にフライトジャケットを着ていて、そのジャッケット右のポケットに右手を入れていて多分パイロットの感じがした。


「起きたそうね。私はこの船の艦長でもありクロニクルのネプチューンです。どうぞよろしく澤本幸一君いやTACネーム『イスル』さんと、お呼びしましょう。まだ混乱はすると思いますが今日から貴方はクロニクルとして頼みますね。後は私のお隣にいるTACネーム『アレックス』からここでの生活と施設などは聴いといてね」


 そう言って右にいた女性の肩を右手でそっとのける。その話を聞いていた女性が艦長に反論する。


「ネプ艦長、アタイに新米を押し付けるつもりなのですか?」

「アレックス、だって暇でしょ」

「それはそうですけど、うちの部隊長が戦場も知らないひよこですよ」

「それがどうした?」

「いえなにもありません」

「そだ、アレックス今日からイスルに『クロニクル』についてと戦闘練習の教官としてやってもらうから後はよろしく。」

「っておい、そんな話聞いていないぞ、艦長!…はあ、まあいいか確かイスルとか言ったなあ。改めて挨拶だがアタイがTACネーム『アレックス』だ」

 少し呆然としたが私は少しながら理解した。そう私はクロニクルになった事を……

「まあこんなところで話しても変わらんし起きられるか、その格好で艦内歩かれたらまずいからなあ、アタイのジャケット貸すから着たらあんた専用の『ユニット』に行くぞ」

「はあ……」

「自分も一緒に付いていくよ。まだイスルが立てるかどうかわからないし、いいでしょアレックス(姐さん)」

「はあ分かったよ。好きなように付いてきな」

「了解」


 イスルは医療ベッドから起き上がってサンダルを履いて立つがふら付きながら歩くがミストの肩を借りながらふら付いた足でアレックスの後を追いながら上の階の格納ブロックまで歩く、そして格納ブロックについた。そこでは多くの整備士や兵士がいる。彼女はすたすたと歩いていく私たちは彼女の後追おうのに精一杯だった。

 ついた場所がオスプレイの整備をしている場所だった。彼女が整備している男性に話しかけた。

「おやっさんいるか?」

「いますよ。おやっさん、おやっさんアレックス着ています」

「なんだ。騒がしい、分かっているわ」


 オスプレイの中から出てきた40代後半ぐらいの男性が出て、見る限り最前線で整備していた感じのベテラン整備士見えた。


「なんだ、アレックスか、またユニットの改修か?」

「おやっさん、今回は違うのだ。新米のユニット見に来たのだけどどこにあるのだ?」

「新人とは珍しいなだれだ?」

「ミストの肩を借りている子だよ」

「ほうこの子ね。儂はオーガスト・パール整備大佐だ。皆からは『おやっさん』と呼ばれている。君の名前は何というのだ?」

「イスルです。未熟者ですがよろしくお願いします」

「こちらこそよろしく」


 挨拶は済んで彼は人差し指を振って呼んでいる感じだった。私たちは彼の後を追って格納庫内にあるユニットがおかれている場所についた。そこには色々なユニットが置かれていて、ユニットを固定している土台の右横には機体の番号だろうか英文と数字が書いてある。そして彼が立ち止った。


「イスル、これがあんたのユニットだ。一回試してみてくれ」


 そこには一つのユニットが置かれていて土台の右横に『F-14A』と書かれていた。私はミリタリー系に関しては結構詳しく特に戦闘機に足してはとてつもなく細かく話せる。


 F-14シリーズは数少ない可変式戦闘機でもあり、相性から『トム猫』とも言われ、いくつもの映画やゲームなどで出てきた世界でも有名な戦闘機でもある。その戦闘機の擬人化とか思ってもいなかったことだろうか、だがなぜかF-14と書かれているのに戦闘機の翼と難易化されたエンジン部分だけしかなかったがこれがユニットらしいが、オーガストがこんなことを言ってきた。


「イスル、すまんがユニットと貴方の同調の際に服具合とかないか最終調整したいから装着してみてくれ」

「オーガスさんどうすれば乗れますか?」

「そうか、イスルはまだクロニクルになったばかりか。それならまずは、ユニットの足の部分を触れると適合者なら開いて後は、そのまま乗ればいいユニット自体が適合者にフィットするから気にしないでいいぞ」


 彼の言うままに私はフラフラの足でおそるおそるユニットを固定している土台の前に立ち装着した途端隙間から急に光の粒が出てきて私を包み込むかのように渦を巻いた。その光渦はそのまま爆散した中から新しい服装になった私の姿が出てきた。服装は後ろと右下に肉球イラスが書かれたオレンジパーカーの上着で下には腕の部分はオレンジのTシャツでオレンジのチェック柄のスカートで髪型は胸のあたりで縛られ腰まで三つ編みという髪型だが上着の中に隠れる感じである。


「同調は成功した感じだな。イスル、ユニット外してもいいぞ」

「はい」


 彼の指示でユニットを外した。


 あれ…急に目まいが…


 私はそのまま気を失いそのまま地面に叩きつけるかのように倒れ込んで皆が駆け寄る。



「「「イスル!!」」」


 私は変な夢を見る。青い空と白い雲の上に立っている。そして目の前にはユニットを装備した私らしき人が立っていて私に話しかけてきた。


「問う、貴方は何のためにクロニクルになった。そして何を守る」


 その問いに私は答える。


「私はまだわからないことだらけだが、答えは皆を守りたい」


 私らしき人は解ったかのように少しうなずいて話しかける。


「汝は貴方の『守る力』でもあります。答えは無くとも汝は従うまでです」


 私らしき人は急に光出した。私は手を顔の前に出して光を遮ったところで目が覚めたらそこは病室だった。体を起こすと後姿のミストがいて記憶が少し飛んだ気しかなれなかった私はベッドから起き上がり外の空気を吸いたく艦内をうろちょろしていたら気づいたころには甲板にいた。太陽は綺麗な夕日で海風は気持ちよく一部の整備班と発艦搭乗員は着艦してくる戦闘機の準備をしていた。甲板の左からユニットを装備したアレックスが偵察任務を終えて着艦してきた。私は着艦してくる彼女を見ていた。彼女は私が見ているのを知っていたかのように右手で手を振ってきた。私も手を振りかえす。彼女はユニットを肯定する土台にユニットをセットし、ユニットを外して私の所に来た。


「イスル体は大丈夫か結構寝ていたけど…」

「うん、大丈夫です。アレックスさんのユニットってF-4ファントムですか?」

「そうだが、よく知っているなあ」

「自分、ミリタリー系が好きでしたので結構わかります」

「そうか、でも明日から講座からやるから今日はゆっくり休め、休む事も仕事だ。その前に飯行こうか食堂に案内するぞ」

「お願いします」


 二人は食堂に行った。私は初めての艦内での晩飯で、食堂には多くの隊員が食事していて入るスペースは結構少なかったがそれでも長い列をして並んでいた。


 そして、私たちの番が来て彼女のやり方を見ながらおぼんをとり巡順位にご飯やおかずが盛り付けられていき彼女は私の分の席を確保して呼んで一緒に食事しながら彼女が話しかけてきた。


「ここの食堂の飯が結構うまいのよ。なんだろうか生きているっていう感じかなそうだろ?」

「はい、しかし結構な人数の隊員がいますね」

「まあな、原子力こ空母のネプチューン(空母)自体航空搭乗員まで含むと約3200人弱で、それに護衛のイージス艦4隻を含めると約4400人以上になるかもなそうなると結構多い人数の隊員が働いているからなあ。」

「結構多いのですね。」

「うむ、そんな事より早く飯済ますか後ろにまだ飯済んでない隊員もいるし。」

「はい。」


 私たちは晩飯をすましそのまま寝室まで歩いて行きそのまま寝てしまった。


 こうして、イスルの初日は初めてばかりの1日が終わる。


 2日目、イスルのクロニクルの能力が不安定の事が解った日でもある。


 私は朝早く起きて寝ぼけた顔のまま洗面所まで行き歯磨きをする。歯磨きの最中に急に鼻がムズムズしてきて、私は大きなくしゃみをしたら、急に可愛い猫耳と尻尾が出てきた。私は鏡に映った可愛い猫耳見て最初は夢だと思って恐る恐る触ったら触った感触があって、私は大きな声を出した。


「ふぎゃァァァァァ!!」


 私の大声で寝ていたアレックスや他の隊員が飛び跳ねるかのように目覚め大急ぎで私の所に駆け込んだ。


「イスルどうした。何かあったか?」


 可愛い猫耳と猫の尻尾を振りながら女すわりしていたイスルが振り向く。


「どうしよう、猫耳と尻尾生えちゃった」


 その後、二人は病室に行き彼女に起きた異変をミストに見せた。


「ミスト、イスルに起きている異変はどうなのだ?」

「姐さん大丈夫ですよ。単なるイスルの能力と思います。命には別条はないし、通常生活には支障はないでしょう」

「よかったなあイスル」

「よくないですよ、アレックスさんこれじゃあお嫁にいけない」


 二人が話している時、ミストはイスルの猫耳をみて少し考えて、こんな事を言ってきた。


「イスルはF-14A『トムキャット』の擬人化だよね」

「そうですが何か?」

「多分なのだが機体名が由来で猫耳や尻尾が出てきたかも……」

「確かに、F-14は『トムキャット』は日本語で『雄猫』読むし、確かに猫耳や尻尾がついてもおかしくはないか」

「それならなぜ急にイスルから猫耳や尻尾が出てきたのかが疑問だ」

「姐さん、私もおおよそだけどイスルはクロニクルになったばかりだからコントロールできてないかと思う」

「確かにミストさんの言うとおり私は昨日なったばかりで制御が利かないのも一理ある」


 三人で考えてミストからいい提案が上がった。


「それなら、姐さんにクロニクルについての講義とかした方がいいかもコントロールできれば猫耳や尻尾をうまく出し入れできるし不便にならないかもよ」

「確かにアタイがクロニクルのコントロールの仕方を教えれば何とかなるか、それに艦長から教官しろとめいれいだったし……よし、今日からイスルの教官やそしてコントロールや戦術特訓だ!」


 アレックスの急な事に私は座ったまま呆然とした。そして今日からアレックスの特訓プログラムが始まることであった。


 プログラム1日目の午前中はクロニクル専用の作戦会議室を利用してのイスル専用の講義室でクロニクルやマーズなど戦争の歴史や戦術だった。


「まあ、イスルは生まれて初めての抗議だったな、最初はクロニクルとマーズについての講義だからちょっと準備するから待っていろ。」


 アレックスはそう言って、軍用リュックから片手で取れる透明なガラス張り箱の中に白銀に輝くひし形の石が出てきたまるでダイヤに近い輝きだった。


「この箱の中に入っているのが『クロックコア』クロニクルやマーズのコアでもありクロニクルは黄色く輝くがマーズは赤黒く輝く、クロックコアは大きな能力で歴史ごとに出てきた兵器となる。クロニクルの方はクロックコアの適合者が魂でも女の子になってしまう代わりに兵器の擬人化する能力があるがマーズの場合は人の負の感情を糧としていて赤黒くなり歴史ごとに出てきた兵器となり人々に恐怖を与える。負の力が大きいとマーズも強くなる装甲はクロニクルの攻撃以外は無効でありマーズのコアを壊せば元のクロックコアに元に戻るがクロニクルからマーズになるのは情報ではあるがマーズとなったクロニクルは二度と元に戻らいから注しろよ」

「はい、アッレクスさんそれでは私の『クロックコア』自体どこにありますか?」

「イスル、あんたの胸に聞きな」


 彼女の質問にアレックスはイスルの胸を指差し、彼女は自分の胸をみてアレックスの指先に疑問に思った。それもそのはず彼女の体の中にはクロックコアが入っている。

 

「クロックコアにはクラスがあり、アタイみたいなクロニクルはノーマル級といい適正が多いクラスで、マーズもノーマル級が多いがクロックコア自体、倒しても出ない時がとても多く、出てくるのは結構な稀で、ヘビー級はノーマル級より耐久力が高いが特徴だが運動性はノーマル級より悪いが高い防御性能が付いてるのが多い、艦長のネプチューンやその周りを護衛してる艦は、マザー級と準マザー級といい。約10個大隊が仕掛けても負けるほどの圧倒的な火力があり、倒すのは困難で目撃例が多いが、撃破例は無く。マーズだけにコアの生産能力がありマザー級を囲むように準マザー級数機で護衛しながらの例も上がってるから壊すのは困難だだから注意して倒すように」

「アレックさん、クラスは解りますが、マザー級と準マザー級はどう違うのですか?」

「う~ん。簡単に説明すればマザー級より少し弱いのが準マザー級かな」

「なるほど」

 アレックスの講義は、昼飯まで続いた。昼食の食堂には、多く兵士が順番に入ってきた。私も長い列に並んで待ったすえやっと昼食になった。今日の昼の献立がサンドウィッチだった。


「やっと昼飯、やけに講義が長かったなあ」


 私が一人で食べていると偶然にもオーガストが私の前の席に入ってきて一緒に食べることになった。


「午前中の抗議お疲れ、やけに疲れているなあ」

「はい、けっこう疲れます。話が長すぎて眠たくなりそうになりました」

「あはは、確かにアレックス自体本気でやるタイプだから頑張りな」

「はい…」


 昼の休憩は、午前中の講義の量のせいか昼寝しかしてなかった。午後は初のクロニクルでの航空練習で最初は発艦と着艦の練習だった。


「よし、今日はクロニクルでの発艦と着艦の練習を行う。気を引き締めて行うように」

「はい」

「そんじゃあ、すぐにユニット装備を装着!!」


 彼女の指示で私は装備を持たずにユニットの装着から始める。昨日、彼から教えてもらったようにユニットを装着した。


「アレックスさん準備できました」

「よし、発艦搭乗員の指示でエレベーターまで行き上まで行ったから発艦練習だからアタイは、先に飛行甲板で待っているから準備をしてくるように」

「はい」


 ユニットを装備した私は発艦搭乗員の指示でエレベーターまで行きそのまま飛行甲板まで上がるそこでは多くの人たち彼女の発艦準備に取り掛かっていた。彼女はフライトジャケットの左の腕ポケットからサングラスを取り出してそのサングラスと首に掛けてあったマイク付きヘットフォンを着けながら安全な所まで歩いていた。彼女が安全な場所まで行ったところで無線が入る。


「イスル、聞こえるか?」

「はい、聴こえます」

「今、無線で大まかな発艦方を教えるから、まあ気を楽にしていくこと」

「はい!」

「よし、いい返事だ。発艦搭乗員はクロニクルの発艦準備急げ、練習でも戦場と思え。敵さんは待ってはくれなぞ、誰かが1秒遅れたら皆が戦死と思え!」


 彼女の指示で発艦の準備が急がれ、40秒後には発艦の準備が整った。


「イスル、発艦練習だ。カタパルト発進だから結構な加速で射出させるからビビらないように後は減速も禁止だ。墜落の原因にもなるからな」

「はい」

「よし、管制官いつでもOKだ。出してくれ」


 管制官は彼女の無線で了承を確認しカタパルト発進のボタンを押すと同時に私が乗っているカタパルトが一気に加速して射出する。私は少し恐怖感もあったが、カタパルト発進は成功し、私は初めて自分で大空を飛んだ。見えるのは青い空、白い雲、そして見渡す限りの広大な大海原で風は少しながら冷たいがクロニクル中は地面にいる時と同じ気圧と気温に自動的に調整が施されている。


「実際飛んでみるとまるで、鳥になった気分になったみたいになった気分」


 私は飛んでいたら彼女から無線が入った。


「いい調子だ、イスル。空飛びながら『HUD』の見かたを教えるからよく聞くことだ。あんたが見えているHUDは『Head-up Display(ヘッドアップディスプレイ)』の略だ。まずは右の数字は高度計だ。『フィート』で左の数字が加速系で右下がクロニクルの被弾率と弾薬数で左下がレーダーや索敵マップになるからそこだけ覚えればいい。HUDの細かいことは後回しだ。先に軽く飛んでから着艦練習するからな」

「はい」

 

 私は大空を飛んで、天使かのようだった。色々な動きをしながら大空を優雅に飛ぶ。


 その頃彼女は私が初の着艦で事故しても場合に備えて救護班などの準備をしていた。そして彼女からの無線通信が入った。


「イスル、聴こえるか?今から着艦練習に入るぞ。空母からの発着艦で一番難しいのが着艦だ。万一着艦ミスで墜落や胴体着陸などのために救護班まで手配したのだから。管制官の指示で着艦するように以上だ」

「はい」


 私は着艦準備に入った。準備と同時に管制官からの着艦の指示が無線で入ってきた。


「イスル、空母への着艦を許可します。着艦シークエンスはHUDに反映させますのでルート入り次第、十字を正ひし形の真ん中に入れながら高度と加速を少しずつ落としながら着艦をしてください。こちらでも着艦指示を出します。」


 私は空母への着艦準備に入ったHUDに表示された正ひし形と十字が表示された。巧みに十字をひし形の真ん中に入れながら空母へと着艦するも加速を出し過ぎたせいもあって飛行甲板から外れてそのまま海へ落ちてしまった。


「イスルが着艦に失敗したぞ、アタイが海に飛び込んでイスルをひっぱりあげるから救護班はいつでも応急手当てができる状態にしておくように」

「はい!」


 それを見ていたアレックスや発艦搭乗員たちは慌てて海に落ちて行ったイスルを助けに行く始末となってしまった。


 そして、その夜。私は無事だったのだが、ユニット方はメイン部分とごく一部は海水が入ってこなかったが、残った一部分が結構な海水が入ってきて取り換えが必要だった。夜通しでの修理となってしまった。そしてクロニクル専用の作戦会議室では講義が行われていた。


「今日の午後は本当にすまなかった。アタイが着艦の注意事項を言い忘れたのをこの講義中に話すが先に『FAPF』などについての講義を行う、『FAPF』とはFormal international Allied Private military task Forceの略。日本語で和訳すると『正式国際連合軍民間軍事機動艦隊』と読み、あの防衛線で大敗以降に起きた正規軍の不足が発生し、その不足を補うために世界各国の民間軍事会社などから召集状を配布し、それに受け入れてくれた民間軍事会社が正規軍軍として動いてる部隊である。いわば正規版の民間軍事会社と思えばいい。特に空母旗艦の艦隊に所属される部隊が多く、世界には六部隊ほどありマーズ戦において主戦力とされている艦隊が三部隊ほどで、その一部隊がアタイ達が乗っている空母機動部隊なわけ。だから連合にとってマーズとの戦闘ができる空母艦隊は貴重かつ重要な部隊でもある。その空母を所有するのが民間軍事会社オリンで、オリンは大手武器メイカー『グリフォン』内で結成された軍事会社で、災害以前までは護衛警備などの任務が多かったが災害後に完成間近で解体されそうになった米原子力空母を安く買ったのがのちの民間軍事会社で初の原子力空母『原子力空母ネプチューン』そしてマーズからの大規模戦争で最初に召集された軍事会社でもある。この事についてイスルから質問はあるか?」


 講義内での質問で私は何もないかのように質問はなかった。そのまま着艦についての講義が始まった。


「今回の着艦の失敗に対しての注意事項として、着艦時着艦用のフックを出してなかったのもあるがあまり加速を出さずに調整しながら着艦するのがポイントだ。さすがに加速して着艦しようとする大ばか者がどこにいるか……はあ、今日の講義はこれにて終わりで、さすがに今回の失敗の始末書はアタイの講義不足でもあるからイスルは描かなくていいぞ」

「はい」


 夜の講義は一時間弱で終わりイスルは格納庫へ行き自分のユニットを見に来たら整備班が大忙しで修理をしていた。私はオーガストの所に行きユニットの修理状況を確認しに来た。


「オーガストさん、私のユニットどうですか?」

「イスルか、さすがに着艦に失敗したとは故よくもまあこの程度で済んだなあさすがにエンジン部分と翼の油圧部分はダメになったのだがクロックコアの制御部分の浸水はしていなかったことが奇跡しか言えないな。この分だと明日の午後までには間に合わせるからな」

「はい、本当にありがとうございます」

「いいで、最近は軽い修理が多かったからな大規模な修理は久しぶりで大いに修理できるし、おまけに最近サボっている整備士にもいい経験だ」

「はあ」


 話し中に私は、ポッケトにしまってあったおりたんである紙を取りだて彼に差し出しながらこんなお願いをした。

「オーガストさん、この紙に描いているエンブレムを私のユニット描いてほしい。さすがに無印で飛ぶのが嫌で修理ついでいいので」


 彼は私から渡された紙を開くとエンブレムが書かれていて彼は私に対してこんな質問をした。


「イスル、このエンブレムでいいのか?」

「はい」

「よしこのエンブレムを明日の午後までに間に合わせるから任せろ、良い出来にしてやるよ」

「よろしくお願います」


 アレックスの特訓2日目の午前の講義は飛行甲板での武器の扱いと射撃練習で彼女は大きな軍用バックを背負って両手には弾薬箱を持って来て、弾薬箱と背負っていたバックを下してからの講義が始まった。


「よし今回は武器の扱いについての講義を始めるが、先にクロニクルでの戦闘について国際事項として、クロニクルは武器を使用する際にはマーズと射撃演習のみとされているのでクロニクル同士の戦闘はできない事になっている。クロニクル専用の武器は人を倒すために作られてはいなのもあり、銃弾も対マーズ用で人やクロニクルに当てたとして死なないのが結構痛いから絶対に人に銃を向けないようにいいな」

「はい」

「そんじゃあ、射撃練習するか今回はイスル専用の武器を持ってきたからまずは準備からな」


 彼女は軍用のバックのチャックを開けて中から取り出したのは三分割になった機関銃が出てきた。彼女は機関銃を容易に組み立てていき、組み立て方を見ながらノートに描いてゆく私。約90秒でイスル専用の機関銃が完成した。ここからアレックスの講義の続きが始まった。


「イスル、お前専用の軽機関銃の名は『M60E4改』だそうだ。弾薬は入れるがこの銃弾自体が先ほどゆった対マーズ用の弾だ。人やクロニクル以外なら貫通はするから扱いだけは慎重に使うように」

「はい」

「返事はよしとして、今から練習射撃するからイスルはアタイが組み立てたあんたの武器を持って練習開始するぞ。後、弾薬が無くなったら装填の仕方教えるからな」

「はい」


 私は彼女から武器を手渡したら結構な重さが急にかかってきた。これでも軽量化と無反動などに改修しているとゆうがそれでも重く、弾薬箱まで合わせると約4kgにもなる。彼女は私に軽い射撃姿勢や射撃構えなどを教えてながら、暇そうな発艦搭乗員に目標ターゲット台を置くように指示した。


「よし、今から射撃練習を開始する。約30mにある目標ターゲット台を撃ちぬけ、まあ短い距離だし結構楽だからな」

「やってみます」


 私はしゃがみこんでの撃の体勢を取って引き金を引くが硬くて引けないが私は前に銃の本を読んでいた事あり、現代では近接武器以外は必ず安全装置が有り無暗には撃てない方式である。彼女はM60E4改の構造を軽く見て安全装置の位置を見つけ、その安全装置を解除してから射撃練習を始めた。


 ダダダダダッ!!


 飛行甲板から銃声が聞こえながら練習付近では少なからず火薬の臭いがしてきながらイスルの付近には射撃練習で使った銃弾の薬莢が山のようになっていて、発艦搭乗員の数名は彼女の射撃練習を見ていた。アレックスは彼女が撃っている的を見ながら腕を見ていた。

「さすがに新米であそこまで精密に撃てるとかいい腕をしているな」

 アレックスが感心しているうちに私が使う軽機関銃の弾が無くなった。

「アレックスさん弾が切れました。この後どうすればいいのですか?」

「弾切れたのなら一回装填カバーのロックを外して開いたら、弾薬箱を開けて中から弾薬を取り出して装填装置に乗っけるその後は装填カバーを閉めてからロックするまでが装填だから戦闘中は装填に時間がかかるほど危険だから早めに装填するように」

「はい」

「おっとこんな時間か、昼飯の時間だ。午後はユニットも修理終わるころだし飛びながら射撃練習だから使った薬莢と空箱片付けるように」

「はい」


 そして、午後はユニットでの射撃練習だった。昨日は着艦に失敗してユニットごと海に落ちたが整備班の夜通しの修理で午後の練習までに間に合った。そして、私が考案したエンブレムがユニットの垂直尾翼に描かれていた。彼女は昨日の午後と同じ格好で安全な場所で見ていたら、私のエンブレムに気づいて無線で会話し始めた。


「イスル、あんたそのエンブレムどうした?」

「アレックスさん実は、昨日オーガストさんに頼んで書いてもらったのです」

「あのおやっさんが?」

「はい」

「イスル、発艦前に聞きたいのだがそのエンブレムはどういう意味なのだ?」

「これは、神話に出てくる『ヴァルキュリー』を連想して書いたエンブレムです」

「ほうほう、そんな意味があるのな。そんな事より発艦準備したのか?」

「まだです」

「ほら、急げよ」

 

 私は、大急ぎで軽機関銃とクロニクル専用のボックスマガジンを持って、すぐさま発艦となった。私が発艦してらから数分後に彼女から無線が入る。


「イスル、今回は航空機での射撃練習だ。装備はしているな。今回の目標は『囮デコイ気球』を狙って撃つことだ。誤って突っ込まないでくれ、内容は以上だ」


 彼女の無線が切れると空母とイージス艦から紐で繋がれた囮デコイ気球が上がってくる私は上がってきた囮デコイ気球を次々と撃ち落としていく。私の俊敏な動きを下から見ていた彼女や搭乗員たちも少し驚きを隠せない。


「さすがにあの新人、姐さんと互角にやり合えるじゃないか?」

「無理だろ、まだ2日しかユニットに乗ってないのだぜ。さすがに姐さんに勝てるわけがない」

「そうなのか」

「お前ら、アタイがいるそばで賭け事するな」

「すいません。ですが姐さんとほぼ互角の運動性ですよ」

「まあな。彼女も彼女なりにがんばっているのだから」

「そうですね」


 私は次々と目標を潰していくそして最後の目標が空母の真ん中に設置された囮ダミーの設置物だった。そして、彼女から無線が入る。


「イスル聴こえるか?」

「はい、聴こえます。」

「今から空母の真ん中に『囮ダミー目標ターゲット』をセットしておいたから撃ちぬいていいぞ」

「はい」

 彼女は急速旋回して空母の飛行甲板の真ん中に設置してある囮目標を横から近づいて射撃を行ったが、私の腕が急に震えで照準がぶれながら撃ったせいで弾がちばった影響もあり囮目標飛んでくるのが色々な場所に当たっていき、最悪な事に発艦搭乗員頭などに命中する始末。そして、彼女から無線がいる。


「このバカイスル。どこ狙っているのだよ。空母がクロニクルで良かったが、クロニクルじゃなかったら大事だぞ。よく狙って撃て!!」


 私はもう一回旋回して縦に攻撃するがまたしても皆に被害が出てきたため囮目標の練習は急遽中止して着艦してから彼女が着艦してきた私の所に来た。

「イスル、うまくねらってくれ。さすがにうちが怖いし、おまけに弾が対マーズ用が運よかったけど…。さすがに結構な軽いけがが数人出した程度でよかったが、もし実弾だったら軽いけが人では済まなく最悪死者まで出すことになるからな。さすがにアタイでも困るよ」

「アレックスさんすいません。うちは対地戦が苦手でうまく狙えないので」

「はあ、さすがに対地戦が苦手ね……」

「アレックスさん夜の講義はどうしますか?」

「さすがにこのミスは大きいし、今日の講義は休みにしておくよ」


 彼女は頭を悩ませながら船内へと行く。私はユニットを外すためエレベーターまで行き、格納庫へと戻っていく。そして、午後の講義は早く終わって私は格納庫から飛行甲板の左端に座りながら西の海に消えてゆく太陽を見ながら私は今日の反省とどうやれば囮目標に当てられるか空想練習をしていた。


「高度をある程度傾けてM60E4改で当てる…。あーやっぱり無理だ。何度やっても外れるから大変だわ……」


 私が悩んでいるのを見ていた休憩中の艦長が私の横に座って今日の失態の悩みを聴いてくれた。


「イスルさん、今日の午後の練習が上手くできなかった事で悩んでいますか?」

「はい、艦長も見ていたと思いますが、さすがに対地戦が苦手で結構ミスを連発して……」

「イスルさんの事は良くわかります。誰にも一回の練習で失敗は良くありますから気にしない事。ただし戦場ではダメですけどね。練習なら本気でやってとことん失敗してとことん改善していけばいのよ。じきにうまくなるからあきらめないほうがいいよ」

「はい、艦長のお言葉で少し元気が出てきました」

「そのいきですよ。そろそろ夕食時の時間だね。明日も失敗に恐れずに頑張って!!」

「はい!」


 こうして1日が終わり明日には新たな1日が始まるのだから……

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