現代フランスの多様な家族の在り方、観光地としてのリヨンの魅力、フランスの歴史、タイムトラベル活劇と楽しめる要素が盛りだくさんでした。フランス在住者と言えどもなかなかここまで綿密に書けるものではないと思います。登場人物たちも生き生きと描かれ、文化的、宗教的な背景が彼らの言動によく表れていたと思います。
しかし、様々な要素を詰め込もうとする余り、欲張り過ぎた感があります。街の描写や歴史的背景などは物語に深みを与えていますが、話のペースを乱し、流れや視点が掴みにくくなりがちです。
リヨンの魅力を伝えたい筆者の意気込みが伝わってくるのですが、もう少しポイントを絞り込んだ方が効果的だと思います。あるいは、本編とは別に脚注としてまとめることもできるかもしれません。
ありがとうございました。