これは、狂おしいまでに愛の物語。

確かな専門的知識と筆力に裏付けられた作品。荒削りな部分さえも勢いに感じる。

無骨な舞台と、柔和な関係の甘辛が混在する世界観は中毒性がある。

人間はなぜ争うのか。

国とは? 社会とは? 家族とは?
不器用で真っ直ぐな主人公達の葛藤を通して、日常では多くのものが置き忘れている『守るべきもの』と『愛というもの』について考えさせられる稀有な作品。

控えめに言っても、大作。