カンザイ砦攻略戦指令書

[ 上級魔甲兵養成科合同訓練作戦司令書より一部抜粋]


本合同訓練は、訓練開始日の正午より始まり、五日後の正午まで続けられる。多少の荒天であれば、訓練は執り行われる。

本訓練の勝利条件は、最終日の正午までにカンザイ砦(以下砦と呼称する)の所有権を保持していることである。

砦の所有権は、以下の条件を満たした場合に移行される。


一、砦にある司令室に掲げられた班旗が、侵略側の班旗とすげ替えられた場合。

二、防衛側の兵が装備する魔甲が、一人残らず使用不能になった場合。

三、防衛側の代表、代表補佐が共に魔甲使用不能になった場合。


魔甲を使用不能にするには、支給された兵装に装填した液体が、一定量以上魔甲に付着する必要がある。

また、魔甲を再装備するには、使用不能になってから三時間の待機時間を置く必要がある。

魔甲使用不能になった場合、速やかに戦場から離脱すること。


攻略側と防衛側が入れ替わった場合、攻略開始まで三時間のインターバルを置く。それを守らなかった場合、さらにインターバルを三時間追加する。

また、この場合の攻略、防衛とは、砦に対する一切の攻撃のことである。音による威嚇は可とする。


主に禁止されている行為は、

一、砦の著しい破壊。

可:城門の破壊・軽度の城壁の破壊・弩弓の破壊。

(即日、数日以内に修理可能な損害)

不可:城壁の著しい破壊・放火・食料の遺棄。

(補充、修理に一月以上掛かる損害)

二、魔甲使用不能者への意図的な攻撃。

三、命の危険がある無謀な作戦。


A、B班の代表を、以下の人物に定める。


A班代表:アキサス・ディスト

代表補佐:ミルゼリカ・レングランド・カナーシャ


B班代表:タンラー・リオン・カイゼルヴァント

代表補佐:キキョウ・ユカゲ


お互いの班が全力を尽くし、未来のガラシア帝国を支える剣へと成長するよう、大いに励むこと。


ガラシア帝国陸軍第一師団師団長、メンサ・リオン・カイゼルヴァント陸軍大将

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