There is no meaning in particular.

星美里 蘭

There is no meaning in particular.

 夕焼けの土手からの帰り。

 道端の小石を蹴飛ばす。

 特に意味はない。そこにあったからだ。

 カタカタと転がり、アスファルトを跳ねる。

 それを繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返す。

「あ、」

 側溝に落ちてしまった。

 代わりがいないかと見渡すが、既に小石のある川原ではなく、住宅街。

 あったとしても小石、というよりは砂利と呼んだ方がいい程度のもの。

 小さく溜め息、進む。

「ただいまぁ」

 団地の三階端から四つ目。そこが僕んち。

 トントンカタコト音がする。

 美味しそうな音が。

「おかえりなさい。晩御飯ちょっと待っててね」

「うん」

 ぶらぶら足揺らしながら、僕は晩御飯待っている。

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