#次節 彼女の家族は誰に奪われたのか?
振り出しに戻ってしまったので、今度は別のアプローチを仕掛けてみる。
クリスに恨みなど個人的な感情を抱く相手は、恐らくクリスがボブを大切にしていることを知らないだろう。なので、私怨恋慕嫉妬その他諸々での犯行の可能性は、ひとまず切り捨てる。
犯人がボブに何かしらの価値を見出していると仮定して、それは果たしてどのような価値なのかを考察するのだ。
そのためには、クリスの情報提供が不可欠だった。
放課後、クリスを小洒落た喫茶店へ連れて行く。
「わかってると思うけど、現状では圧倒的に情報が足りないの。そこで、とにかく情報を集めておきたいわけ」
「はい」
「で、まあ……なに、そもそも今は、どうしてボブが盗まれたかすら全くわからない状況なのよね」
非常に情けない話なので、勝手に声のボリュームが小さくなる。途中でそれに気づいて無理に修正したため、語尾が上がり調になってしまった。
「で、なんでもいいから、とにかく話を聞きたいわけ。クリスの情報とかも含めて、ね」
事情を説明すると、クリスは素直に頷いた。もしクリスが疑り深い人間だったら、きっとこうは行かなかっただろう。この信頼は、裏切りたくない。
「まず最初の質問。ボブはいつどこで手に入れたの?」
実はボブが "クマのぬいぐるみ型高性能爆弾" な可能性がある。見た目は普通のぬいぐるみだが、その実半径十五キロメートルを焦土にする悪魔の爆弾なのだ。
冗談はともかくとして、実はクリスが知らないだけで、ボブはただのぬいぐるみではないのかもしれない。道で拾ったとか、出処が不明なら黒だ。
だが、出自は極めて平凡だった。
「四歳の誕生日プレゼントに、パパがくれたんです。それからずっと、友達でした」
娘の誕生日プレゼントに爆弾なんて普通は渡さない。普通じゃない親ならありえるが、こんな優しい子の親がサイコなわけないので爆弾説は却下だ。いやまあ、爆弾じゃなくても怪しい代物ではないはずだ。
では逆の可能性。危ないものではなく、むしろモノが良すぎて盗むだけの価値が生まれてしまった可能性だ。
例えば、純金でコーティングされているとか。
「ボブって、超高級なぬいぐるみだったりしない?」
「うーん、ちょっとわからないですね……。パパが持ってきただけなので、値段とかは聞いてないです」
なるほど、それなら仕方がない。では、このジェーンが目利きしよう。
「じゃあ、写真とかない?」
「あります」
言うとクリスはモニタデバイス (21世紀初頭におけるスマホのようなもの。空間にモニターを表示する) を取り出し、写真を表示した。
見た感じ、ボブは普通のぬいぐるみだった。
質のいいぬいぐるみではあるのだろう。艷やかで、かつもこもこの毛皮。プラスティックの瞳は、上半分を合皮のまぶたで覆われ、なんだか困っているような顔をしていた。写真でも毛並みが整っているのがわかるし、適度にディフォルメされた造形も可愛いものだ。大切に扱われてきたらしく、目立った汚れも綻びもない。
だが、わざわざ盗むようなものではなかった。
いや、なんでもかんでも盗む人間というのは、確かに存在する。しかしそういった連中は、わざわざ能力を使って証拠を消したりはしない。突発的な衝動に任せて盗むので、無理に奪い取ったりして証拠を残すのだ。
見た目ではわからない付加価値があるのだろうか? 何年製のプレミアだとか、世界でいくつしかない特別製だとか、そういったものがあれば、コレクターなら欲しがるかもしれない。転売目的の可能性もある。
「お父さんには、盗まれたこと話したの?」
現状、出処が不明な以上、ボブのプレミアムを知ることはできない。
クリスの父に訊ねたいところだが、訳も話さず訊くのはどうにも不誠実な気がした。
「……まだです」
だが、この年代の子が親に黙っていることは、得てして言いたくないことなのだ。勝手にバラしていいものではない。
大事にしたくない、というのが本人の意向である。もしボブに大変なプレミアムがあれば、両親は騒ぐだろう。
仕方がないので、ボブの写真だけ貰って、後で類似したプレミアム品が無いか調べてみることにする。貴重な品ならネットに情報が載っているかもしれない。オークション辺りもログ含めて調べることにする。
「じゃあ、ボブについては私が後で調べておくね……」
さて、他に知っておきたいことはあるか。考えて、一つだけ忘れていた事を思い出す。
「そうそう、クリスの能力ってなに?」
もし有益な超能力なら、捜査の役に立つかもしれない。直接役に立たなくても、何か重要な手がかりを入手できる可能性もある。
クリスは少しだけ視線を彷徨わせた後、自信なさげに言う。
「……笑わないでくださいよ?」
「うん」
ジェーンが頷くと、クリスは小声で話し始めた。
「ぬいぐるみと……話せるんです」
「え?」
「だから……ぬいぐるみの声が聞けるんです」
「……へえ、珍しい」
無生物の声を聞くという能力は、初めて見た。ちょっと興味がある。
ちょうどジェーンのバッグにぬいぐるみのストラップが付いている。こいつと話してもらおう。
「ちょっとこいつと話してみてよ」
ストラップをクリスに差し出し、ジェーンは言った。しかしクリスは首を横に振る。
「……私の持ってるぬいぐるみとしか、話せないんです。初めて会った時から、ボブ達とだけ話せたんです」
極めて限定的な内容だ。まあ、こういった能力も、結構ある。庭の雑草をむしる能力とか、リモコンを探す能力とかだ。能力の発現には極めて強い想いが必要なのだが、その強さの基準が結構曖昧なので、しょうもないところで消費してしまう人が結構居るらしい。
だが、限定的な能力の中でも、その能力は素敵な部類に入ると思う。
彼女がぬいぐるみ遊びをやめられなくなるのも、頷ける。
だが捜査には使えそうになかった。
ジェーンが少しだけがっかりしていると、今度は逆にクリスから質問される。
「そういえば、ジェーンさんの能力ってなんですか?」
なるほど、確かに気になるだろう。だが、それは言えない。
なぜなら――
「私は……まだ決まってないんだよね……」
長い間不完全燃焼していたジェーンは、強い想いを持つことができなかった。こんな力が欲しいと強く願う機会が、なかったのだ。
それに、これといって欲しい能力も思いつかない。
最初は、捜査に有利な能力が欲しいと思っていた。だが、これが案外思いつかない。
超能力には、ある程度の制約がある。その中でも有名なのが、絶対に実現できない能力の存在だ。
過去の改変、未来及び過去の閲覧、人体への干渉、の三つである。
これは脳拡張プロセッサーの性能限界によるもので、意図的に掛けられた制約――プログラム上のプロテクト、というわけではない。
限定的な未来の閲覧は一時期可能になったものだが、事象制御装置の存在で未来が不確定になってしまったがためにできなくなってしまったらしい。皮肉なものだ。
過去の閲覧についても似たような理屈らしく、これができれば捜査が非常にやりやすく、と言うかカンニングじみたことができるようになるのだが、できないものは仕方がない。
そんな理由もあって、ジェーンの能力は未だに空白のままだった。
「……さて、今日はこのぐらいにしよっか。私は帰っていろいろ調べるから、また明日電話するね」
「はい、お願いします」
そのままクリスと別れ、ジェーンは事務所へと帰った。
※
ボブ……というか、プレミアムのあるぬいぐるみについてしばらく調べてみたが、芳しい収穫はなかった。
プレミアム付きのぬいぐるみで検索して一番上に出てきたのが、よくわからない海獣のぬいぐるみだった。もう少し深いところまで調べてようやくクマのぬいぐるみが出てきたわけだが、ボブとはまた違った造形だった。
オークションも調べてみたものの、ボブとは似ても似つかぬぬいぐるみばかりで、収穫はない。
しかしその一方で、興味深い事実も判明した。
オークションで全滅した後、方向性を変えてクマのぬいぐるみについて調べてみたのだが、逆にボブと同じものが一切見つからなかったのだ。
結構な数のぬいぐるみを調べたのだが、どれもボブとは違ったものだった。この世の全ての品物がインターネット上に存在するとは思っていないが、メジャーな代物は大抵載っているはずだ。
多分、ボブはそれなりに貴重な逸品なのだ。
これで、犯人がボブそのものに価値を見出した可能性が固まった。なるほど確かに、ボブは盗むに値する品物だろう。
大きな進歩だ。犯人像が固めやすくなる。
とりあえず今日は疲れたので、最後に関連リンクのニュースだけ見て寝よう。 『奇跡の生還、ぬいぐるみを抱えた少女』 古い記事だ。五年前だから……ちょうど世界が混乱していた時だろう。まだドル札がギリギリで使えた時代だ。
どうやら、銀行強盗に人質として捕らえられた少女が、奇跡的に生還したという話らしい。犯人は警官の到着でひどく興奮していたらしく、何発か発砲したそうだ。その時銃口が明らかに少女に向いていたらしいが、弾丸は逸れたという。不思議な話だ。
専門家曰く、犯人の銃は弾がちゃんと真っ直ぐに飛ぶようしっかりとメンテナンスが成されていたらしいが……まあ、お天道さまは見ているということだろう。
その少女は、十一か十二歳ぐらいのようだ。五年前の話だから……ちょうどクリスと同じぐらいだろう。
いや待て。
この写真の少女とぬいぐるみ、クリスとボブに似ていないか?
職業柄、成長による人相の変化については詳しい。この少女がこのまま成長すれば、今のクリスと瓜二つになるだろう。
何よりぬいぐるみがどう見てもボブだ。
なるほど、この事件で犯人がボブに目をつけた可能性がある。それにしては記事の時期と犯行時期の隔たりが大きい気もするが……クリスの身元調査にそれぐらい掛かったと考えれば、まあ腑に落ちる。そもそも、犯人がこの記事を見つけたのがつい最近の出来事……という可能性だってある。
とはいえまだクリスだとは確定していない。個人情報保護の観点からか、少女の名前が記載されていないのだ。他人の空似の可能性だって、十二分にある。
この件については、明日クリスに訊ねることにしよう。
まあ、出来事が出来事なのでトラウマになっている可能性もあるが……それはそれ。コラテラル・メンタル・ダメージと言うものにすぎない。事件を解決するための致し方ない心の痛みである。
明日やることも決めたし、もう寝よう。
パソコンの電源を落とし、椅子に座ったまま伸びをする。主に上半身の筋肉がみりみりと伸びて、気持ちいい。
関連ニュースにあった人工知能の記事も個人的に気になったが、あまりにもまぶたが重く、読んでいても途中で寝てしまいそうなので、明日覚えていたら読もうと思う。シャットダウン。
これ結局忘れるパターンだよね……ブックマークだけしとけばよかった。
※
新しい朝が来た。希望はあんまりない。
昨日久しぶりに木登りなんてしたものだから、体のいたるところが痛い。
まっこと情けない話だが、三十手前、既にアラサーと化した肉体ではこれが限界なのだろう。一日で出てきたあたり、むしろまだ丈夫な方だとも言える。これが二日三日になってくるとヤバいとか。
ちょっと今日は動きたくない。学生の頃は筋肉痛の日にどうやって学校に行ってたんだっけと考えたが、よく考えたら学生時代は筋肉痛なんてなかった。
「あああおおお……」
変な唸り声を上げながら、起き上がる。腹筋及び下半身が痛いので、一度うつ伏せになってから腕立て伏せの要領で起き上がる。どうやら下半身ばかりを使って木登りしていたようだ。
歩くのが辛い。しゃがんだら立てなくなりそうだし、今日は布団畳まなくていいや。
顔を洗ったらまずは着替える……のは後回しにして、朝食のポテトをキメる。
次は着替える……のは後回しにして歯を磨く。
次は着替える……のは後回しにして風呂掃除……は今日はお休みで……着替える。
上はいいのだが、下を脱ぐのは最悪だった。
とても辛い。
いいや、今日はクリスのハイスクールが終わるまで寝てよう。
……とても寝るような格好ではないので、もう一度着替えるハメになった。
カーテンを閉め、布団に潜る。
「……」
駄目だ。昨日たっぷり寝たせいで、眠れない。
十分ぐらいまぶたを閉じて居ても駄目だったので、寝っ転がりながらできる作業をする方向へとシフトした。寝て過ごすよりも、きっとこの方が建設的だ。
ノートパソコンを引き寄せて、準備完了。寝ながらパソコンを使うのは、一度やってみたかったことだ。
しかし何を調べるか……と考えて、昨日寝る前に何か見ようと思った記事があったことを思い出す。しかし肝心の記事の名前を忘れていたので、調べられない。そうだ履歴から探ろうと思ったが、最後の銀行強盗の記事を開いても、関連ニュースに見覚えのある文字はなかった。リロードしてみてわかったのだが、どうやら読みこむたびに変わるタイプのリンクだったらしい。仕方がないので、別の記事を読む。
ぬいぐるみ関連のニュースというものはそう多くない上に、大半は企業の宣伝目的で書かれた記事だ。最新の素材で作られた汚れないぬいぐるみとかどうでもいい。……いやちょっと欲しいかも。
(あ、これ可愛いな……欲しいな……買っちゃおうかな……)
結構有名なメーカーの、主力ではないがそこそこ売れているシリーズの商品だ。眠そうな造形がとても可愛い。
あ、でも待って、なんか手作りとかですっごい高い。やーめた。
収入のないジェーンにとって、高額出費は命綱をナタで撫でるような行為である。
高性能機器の出現で実現された単純労働の自動化によって、高騰する人件費の問題は解決され、物価――特に食料品や衣料品など生活必需品の価格は、大きく下がった。下がったが、しかしタダではない。故に無収入のジェーンは倹約に努めなければならないのだ。高額のぬいぐるみなんて、以ての外である。
ただでさえ、単純計算で今年中になくなるというのに。滅びろ税務署。
閑話休題。
貴重なぬいぐるみ関連のニュースを精査していると、興味深い一文が目に入った。
――『ぬいぐるみお手柄 少女の命を守る』
自動車事故でエアバッグ代わりにでもなったのだろうかと思って見てみると、どうにも昨日見た銀行強盗事件での出来事らしい。確かにその少女 (多分クリス) はぬいぐるみを抱えていた。
どうにもその記事曰く、あの位置あの角度で放たれた銃弾が少女から外れることはありえないらしい。それは監視カメラの映像を検証した専門家も断言しており、当時から何度も取り沙汰されていた。
そこで少女の超能力に関係があるのではないかということになったが、彼女の超能力は銃弾を弾いたりするものではないそうだ。記者が独自に行ったインタビューによりわかった能力の詳細は、プライバシーの保護のため伏せるとのこと。
そこでその記者は、ぬいぐるみに注目したらしい。彼女がずっと大切に扱ってきたぬいぐるみが、お守りとなって彼女を守ったとか。
「そんなわけあるかい……」
あまりにも非現実的な記事だったので、思わず声に出して突っ込んでしまった。このご時世にお守りとか、ちょっと旧時代的な考えすぎる。
よく見ると、ゴシップ系の記事を取り扱うことでそれなりに有名なサイトだった。ちょっと前にツチノコを作るとか言って蛇の遺伝子を改造していたサイトだ。火を吹かせる段階で断念してた気がする。
実践系の記事はそれなりに面白いのだが、こういったゴシップや都市伝説を取り扱うと途端に胡散臭くなる。ニュースソースとしては、あまりアテにしないほうがいいだろう。
画面端の時計にチラと目をやる。もうそろそろ昼食である。動きたくはないが、頑張って食べよう。
※
その後もネットサーフィンを続けてみたが、特に参考になるような記事は見つからなかった。
銀行強盗関連の記事もいくつか調べてみたが、どこも似たり寄ったりな内容。個人情報保護の観点もあるので、まあ仕方ない。
ボケーっと画面を眺めていると、ジェーンのモニタデバイスがブルブルと震え、着信音が流れる。久々の着信すぎて、最初なにが起きたのか理解できなかった。
「もしもし」
『ジェーンさん? クリスです。授業終わりました。今から行きますね』
「ああ、うん。気をつけてね」
『それじゃあ』
プツリと通話が切れる。
(なんか緊張した……)
久々の通話に、思わず緊張してしまった。ただデバイス越しに話すだけのことなのに、なぜこんなに緊張してしまうのだろうか。
昔は毎日毎日何回も電話を受けていたというのに。
まあいい。もうすぐクリスが到着するはずなので、そちらの準備に移ろう。呆けているより有意義だ。
(お客さんってどうやってもてなすんだっけ……)
やはり久々の出来事なので、身体が覚えていない。お茶を用意するという、漠然とした記憶はあるのだが、そもそもお茶がなかった。
商売が繁盛していた頃は、毎日のように客人をもてなしていたのだが……今はもうノウハウが残っていない。ロストテクノロジーだ。
そもそもどこで出迎えるんだ。仕事だし、事務所で処理するべきなのだろうか。事務所だけなら、この布団を畳まずに済むのだが。
いや、それよりもお茶うけ (お茶無いけど) だ。ハイティーンならお菓子は好きだろう。ちょうどハッシュドポテトがあるが……おやつ時にこれは少々重いかもしれない。でもこれ以外のおやつ、もとい食料は野菜ぐらいしか無い。
どうしようかなと迷いつつ、とりあえず着替えるかと寝巻きを脱ぎ捨てたところで、チャイムが鳴った。急いでコートを着こみ、対応。
存在すら忘れていた応接ブースがあったので、そちらを使うことにした。全自動掃除マシーンさまさまである。
「改めて。ようこそ、ヴァリアント探偵事務所へ」
事務所の名前を口に出したのは、何年ぶりだろうか。再びその機会を与えてくれたクリスに、改めて感謝の念を覚える。
「さて、早速だけど、質問させてもらうね」
ジェーンはノートパソコンを開き、あるニュースサイトを見せる。昨日見つけた、銀行強盗のニュースだ。
「この事件に、覚えはあるかな?」
クリスは、最初こそ何も知らないような顔をしていたが、記事を読み進めていくうちに徐々に表情が固くなる。半分ぐらいまで読んだであろうところで、口を開いた。
「……あります」
ビンゴだ。辛いことを思い出させてしまい胸が痛むが、この際仕方がないだろう。私は悪く無い。……いや悪いよね、ごめんね。
「このぬいぐるみの少女、クリスちゃんだよね?」
「……はい」
「やっぱりね」
ジェーンが頷いていると、クリスは弱々しく申し訳なさそうに続ける。
「あ、あの……すいません、あの時のこと、細かくは思い出せないんですけど……」
根掘り葉掘り訊かれるものだと思っているのだろう。しかしそれを、ジェーンは否定する。
「本人かどうかがわかれば、もういいよ」
流石にこの件を委細語らせるのは酷だろう。事件の内容はそれほど重要ではないだろうし、事実確認が取れればそれでいい。
それよりも今は盗難事件だ。とにかく、これで犯人がどのようにしてボブに辿り着いたかがわかったのだ。大きな進歩である。
経緯がわかったので、次は、犯人像を絞り込もう。
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