第3話ー浮つく感情ー

月曜日。俺は眠気眼をこすりながら駅を降りて学校へ向かう。高校までは駅から十分程度と少し距離がある。


その時背後から叫び声が聞こえた。


「くたばれ、龍樹ィィィい!!」


俺めがけて、さながら猪のごとく男が突進してきた。


「ふっ!」


それを俺は短いかけ声とともに地面に組伏せる。


「ぐぁっ!」


突進してきた男はクラスメイトの竹中だった。竹中を解放して起き上がらせながら話しかける。


「お前は毎日よく飽きないねぇ。俺に襲いかかるのがそんなに楽しいの?」


「龍樹は本当に強いな。そんだけ強ければ最近流行りの通り魔に襲われても平気だな!」


「その通り魔って女子高生しか狙わないんでしょ? 俺は襲われないでしょ」


最近よくこの手の話題は友人達との会話で挙がる。近所で起きた事件だけに、関心も高い。

とはいえ狙われているのは毎回女子高生だけ。自分には関係ない話だろう。


それにたとえ凶器を持っている相手だろうが自分は素人に遅れを取ることはないはずだ。

幼い頃から警察官の父親の影響で空手や柔道、合気道にシステマ、クラヴマガなど様々な格闘技を習得してきた。


そんじょそこらの一般人に負けるはずがない。





月曜日は憂鬱なことが多いが今日は昨日のことがあったので終始ソワソワしながら過ごした。神谷とデートに行けるのは日曜なのにもう緊張しているらしい。

一週間前からテンションが上がりまくってる自分が自分で可笑しく思った。

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その時気づく、この思い 睦月 古 @mutumikamou4242564

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