挿話弐拾伍/解放戦線
国を整えて兵を鍛え計を練って、いよいよ行動に移すべき時を迎える。
反乱軍の志気は益々盛んになってきて、士気の方も最高潮に達している様に思われた。
そして精霊の星を
その為に反乱軍は部隊を二手に分けて、解放戦線を展開していかなければならなくなった。
燿炎と
以前の反乱軍であったら部隊を分割する事は出来なかったであろう。
無理矢理に分割しても戦力を激減させてしまうだけである。
しかし今は配下の兵士も育ってきて、それぞれに四天王を支援する形で、露衣土帝国軍に対抗が出来るだけの戦力を維持する事も出来る様になっていた。
そして塑の国の守備と統治は適性のある者達に任せ、リーダーである燿炎は自ら麗羅と共に配下の兵士を引き連れて炎の大陸へと向かう。
一方、凍浬と崩墟も配下の兵士を引き連れて風の大陸へと向かった。
五年もすると、凍浬達に拠って、風の大陸の露衣土帝国からの解放は達成される。
元々、排他的な風習が強く残る風の大陸では、露衣土帝国の支配に対する反発も強かった。
そのような風土が後々、反乱軍にとっての足枷になってもくるのだが、現状において、風の大陸の民衆の大半は露衣土帝国の支配からの解放を望んでいたのだ。
だから風の大陸で反乱軍は民衆に好意的に受け入れられて、容易に協力も得られた。
そして反乱軍は風の大陸で順調に露衣土帝国からの解放を進めていく事が出来たのである。
一方、その頃、炎の大陸で燿炎達は思う様に兵を進める事が出来ずにいた。
未だ炎の大陸の半分に満たない程度しか露衣土帝国からの解放は為されていなかったのだ。
勿論、大陸の面積が風の大陸と比べて倍程の大きさがあるので、仕方がない面もある。
しかし、それ以上に炎の大陸の風土というものが結構、厄介だったりもした。
炎の大陸は元々、纏まりに欠いた風土があったので、露衣土帝国の支配下になってからも、あちこちに露衣土帝国に対する反抗勢力が散在していたのである。
そして、その反抗勢力は必ずしも反乱軍に協力的であるとは限らなかったのだ。
時には反乱軍に対しても敵対するような勢力が存在したのである。
そんな中で粘り強く、理解と協力を得ながら、露衣土帝国からの解放を進めなければならなかった。
そして凍浬が風の大陸の露衣土帝国からの解放を終えて燿炎達に合流する。
崩墟は配下の兵士達と風の大陸に残って守備を固めていた。
反乱軍は凍浬が加わった事で、露衣土軍との戦闘に因る負担が随分と軽減される。
それにより炎の大陸の露衣土帝国からの解放も速度を早める事が出来た。
そして、それから三年程経って、反乱軍による炎の大陸の露衣土帝国からの解放が為される事になる。
残りは露衣土帝国の本拠地であり、燿炎や炮炎の故郷でもある、氷の大陸を残すだけになっていた。
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