挿話弐拾壱/蘇る大地の大陸
炎の大陸の南端にある岬。
燿炎は残った者達と共に舟に乗って、一番近くで、すぐ南の見える距離にある東の小島へ向かう。
西の小島に到着した麗羅は燿炎、凍浬、崩墟がそれぞれの島へ到着するのを待つ。
西の小島が距離は一番、遠かったが、風の魔法で飛んで行った麗羅が逸早く到着していた。
そして麗羅がテレパシーで他の者達の状況を確認する。
燿炎、凍浬、崩墟がそれぞれの島に到着して準備を整えていく。
先に準備を終えていた麗羅が再びテレパシーで他の者達の準備が済んでいる事を確認する。
確認を終えると、麗羅はタイミングを合わせる為に合図した。
そして燿炎、麗羅、凍浬、崩墟の四人は同時にそれぞれの魔法を使う。
大地の大陸を海底から海上へと隆起させようとした。
万象の話に拠ると、この魔法を最低でも半日程は続けなければならないらしい。
四人は集中して魔法を唱えている。
いや、唱えていると言うよりは念じていた。
そして、そのまま半日が過ぎる。
まだ何も変化は見られなかった。
それから幾らかの時が過ぎてから、少しづつ海面に陸地が現れてくる。
それでも四人はまだ魔法を念じていた。
そして、また幾らかの時が過ぎて、やっと陸地の隆起が止まる。
四方の小島は大陸と陸続きになって、それぞれ大陸の東端、北端、西端、南端になっていた。
周囲の者達がそれぞれに燿炎、麗羅、凍浬、崩墟へ陸地の隆起が止まった事を告げる。
四人は状況を告げられた者から順にその場に崩れ落ちた。
半日以上も集中して魔法を使い続けたのだから、それも当然であろう。
四人は気絶していた。
それぞれ部下の者達が介抱をしたが、一向に目を覚まさない。
しかし呼吸も脈拍もあったので、死んでいる訳ではない様だった。
部下達は仕方がないので四人をそれぞれ、その場に横たえて、それぞれ本人の回復を待つ。
そして暫くしてから、崩墟が最初に目を覚ました。
崩墟は状況を確認すると、麗羅に意識を送る。
何度目かに麗羅が目を覚ました。
目を覚ました麗羅が状況を確認する。
そして麗羅がテレパシーで燿炎と凍浬を起こそうとした。
先ず凍浬の方が目を覚ます。
最後に燿炎が目を覚ました。
麗羅は燿炎が目を覚ました事を確認すると、風の魔法を使って上空に飛び上がり、大地の大陸を見下ろす。
そして広大な大地の大陸の全容が明らかになる。
面積は炎の大陸や氷の大陸よりも、更に幾らか大きかった。
燿炎達は一度、大地の大陸の中心付近に集まってから、周囲を散策する。
所々に過去の文明のものと思われる痕跡が残されていた。
燿炎達には、どれくらい以前のものか、見当もつかない。
恐らくは万象であっても見当はつかないであろう。
伝説としてのみ、一部の人々の間で語り継がれてきたのだ。
その伝説の『大地の大陸』が今、現実のものとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます