最新第19話を読んでのレビューです。
物語はもちろん、登場する弁当、そしてキャラクターたち、お客さんたちのドラマなど、実に味わい深い作品です。とにかく幕の内弁当のように色んな味わいがぎっしりと詰まっています。
人間だけでなく妖怪も訪れるという狭間の弁当屋、その後継ぎとなった「くるみ」ちゃんと、彼女となにやら因縁のある梅の神様である青年、この二人をめぐる物語。
そして人間も妖怪も巻き込みながら、時にほのぼの、時に切なく、時には愉快に、物語は進んでいきます。そして徐々に明らかになっていく、くるみと神様の関係。
語り口も読みやすく、キャラクターも親しみやすく、楽しく読んでいただける現代の妖怪譚。
幸いにも連載中の作品、ゆっくりと続きを追いかけてください。
作品の季節のように軽やかで暖かな雰囲気のある文章で、ちょっとおかしなお客さんがやってくるお弁当屋さんで番台に立つ女の子の姿が描かれています。普通の可愛らしい子なのですが、許嫁がいたり、カウンターの外でお客さんと話すと危ないと止められる、忙しいお店なのに店員が雇えない……などちょっと変な状況です。
しかし、途中で現れる切れ長の目をした綺麗な男が現れるとこのお話の目的が見えてきます。
良くできた少女漫画のような淡くてほっとする雰囲気の中で、不穏な事態が起きたりするのは独特で面白みがあります。
たぶん人気でそう。めちゃくちゃオススメ。