概要
日常に潜む小さな謎を解きながらも、変化していく心境までは解読できない。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!図書室の静寂に溶け込む、不器用なふたりの日常と謎解き感
拝読させていただきました。
図書室という限られた空間で、言葉の裏側や些細な違和感をすくい上げていく南野の独自の視点がすごく面白い作品です。
在原さんとの間に流れる静かで少しもどかしい空気が、ページをめくるたびにじんわりと伝わってくるんですよね。
久我のようなちょっとクセのある友人がいることで、主人公の斜に構えつつもお人好しな人間性がうまく引き出されている気がします。
謎解きの面白さはもちろん、ふたりの不器用な感情の揺れ動きが丁寧に描かれていて、ずっと見守っていたくなるような素敵な物語でした。
よろしければ私の作品の感想もいただけると、今後の執筆の励みになりますので、作品へのご感想や…続きを読む - ★★★ Excellent!!!謎の中でわずかに傾いた青い栞
ミステリーにおける探偵、あるいはその役回りを担う者は、往々にして機能的な存在です。
事件を解決し、正義を執行し、時にはその結果を歪めることすらあります。
そうした探偵は確かに偉大で、尊敬され、愛される存在ですが、それゆえにどこか遠く感じられてしまうこともあります。
本作の主人公は、一見すると探偵役を担う中心人物に見えますが、その実体はごく普通の少年です。
若くして夢を追う友人を持ち、どこか意識してしまう異性の友人がいて、読書を心から愛しながらも、その年頃特有の「背伸び」から完全には抜け出せない年頃の少年。
けれど彼は多くのことに目を向け、思考を巡らせることを決して諦めない、頼りなくも純粋…続きを読む - ★★★ Excellent!!!静かな違和感を追う青春ミステリー。
日常の中に潜む小さな違和感を拾い上げていく青春ミステリーです。
主人公は周囲をよく観察し、何気ない言葉や出来事から答えへ近づいていける人物。一方で、自分が何を感じ、何を求めているのかとなると、簡単には答えを出せません。
この「外の世界は読み解けるのに、自分自身のことになると分からない」という構図が、作品タイトルの『解読不能』と綺麗に重なっているのが印象的でした。
また、謎解きだけで物語を引っ張るのではなく、友人との会話や新たな出会いを通して、主人公の価値観や内面が少しずつ揺れていくところも魅力です。
派手な事件を次々に解決していくタイプではなく、日常の違和感と高校生らしい迷いを丁寧に…続きを読む