概要
ただ、それだけだ。
問題は、帰り道が分からないこと。
まあ、歩いてればそのうち着くだろ。たぶん。
この世界には、エルフもドワーフもドラゴンも、神様だっている。
勇者が魔王を倒しに行って、国と国が戦争して、世界を救う英雄が生まれる。
そういう世界を、俺は今日も歩いている。
腹が減れば飯を食う。
金が尽きれば働く。
疲れたら宿を探す。そして、また歩く。
途中で、たまに誰かとすれ違う。
まだ勇者じゃない青年。
まだ聖女じゃない少女。
まだ名もない魔法使い。
まだ何者でもない、ただの人間。
荷物が重いから、道具をくれてやる。
読めないから、拾った本を捨てる。
面倒だから、仲間になるのは断る。
それで終わりだ。というか、忘れる。
けど何日
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あまり見かけないタイプの異世界ファンタジー
とある男が家に帰るまでの道中を描いた物語です。
冒険ともスローライフとも言い難く、どのジャンルに該当するのか私には判断できません。
どこかを発った主人公が、どこかにある自宅を目指し、日銭を稼ぎながら世界各地を巡り歩く。
やっていることは、今のところそれだけです。
主人公に突出した何かがあるわけではなく、むしろ何者なのかも未だに分かっていません。
それでも何故だか彼の旅路が気になって読み進めてしまっております。
一人称視点の淡々とした語り口で、主人公本人も直情的な人間ではないため、地の文章と台詞に温度差がありません。
平坦なようにも思えますが、この作品の魅せ方としては最適であると感じます。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「何気ない出会い」と「誰かの人生が動き出す瞬間」が好きなあなたへ
家に帰るため、ひたすら歩き続ける主人公。
路銀が尽きれば働き、そこで出会った人と言葉を交わし、なぜか誰かにとっての人生の分岐点になる。
そうとも知らず、男はまた歩き出していくファンタジーです。
【俺には関係ない】
困っている人を救おうとするわけでも、何かを成し遂げようとするわけでもない主人公。
それでも周囲をよく見ていて、何気ない言葉や行動が誰かの心に残っていく。
「俺には関係ない」と歩き去る彼が、誰のどんな成長に関わるのか。つい追いたくなります。
【誰かの物語が始まる】
主人公との小さな出会いをきっかけに、それまでとは違う道を歩み始めそうな人たち。
その後をすべて描…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ただ家に帰るだけの男。その背中を見た誰かが、いつか英雄になっていく
家に帰ろうとして、ただ歩き続ける男。
世界を救うわけでも、英雄を目指すわけでもない。腹が減れば働き、路銀が貯まれば、また次の町へと歩いていく。
そんな淡々とした旅なのに、不思議と引き込まれます。
特に面白いのが、主人公にとっては何気ない出会いや行動が、誰かにとっては人生を変えるほど大きな出来事になっているところです。
派手な冒険とは違うのに、一話読み終えるたびに何か繋がっていくような、そんな感じがして次が読みたくなります。
淡々としているけど、また読みたくなる。
まったり静かにくつろぎたい時に、読みたくなる作品です。