概要
承知しました。毒見役には俸給と、辞める自由がございます
「側妃を迎える。君は毒見役でもしていろ」
婚約十年、成婚を延ばされ続けた挙げ句が、満座でのこの言葉でした。ようございます。毒見役は官職。俸給に危険手当、十日に一度の非番、そして届け一つで辞める自由。規定どおり、正式に拝命いたします。
「殿下はご存知でしたか。毒見役は、王族の婚約者であってはならないのです」
翌日から、わたくしは規定どおりに勤めた。
膳は毒見の間で検めるものだから、殿下の食卓から温かい膳が消えた。側妃候補のご実家から届いた菓子は、検めた末に封じられ、所見ごと衛兵へ回った。その所見はなぜか、城下で美食評として写本され始めた。
そして最初の非番の日——王宮から使いが駆け込んでくる。殿下の膳が、出ないのです、と。
検めてもらえるのが当たり前だと思っていた方と、検める舌に値札を
婚約十年、成婚を延ばされ続けた挙げ句が、満座でのこの言葉でした。ようございます。毒見役は官職。俸給に危険手当、十日に一度の非番、そして届け一つで辞める自由。規定どおり、正式に拝命いたします。
「殿下はご存知でしたか。毒見役は、王族の婚約者であってはならないのです」
翌日から、わたくしは規定どおりに勤めた。
膳は毒見の間で検めるものだから、殿下の食卓から温かい膳が消えた。側妃候補のご実家から届いた菓子は、検めた末に封じられ、所見ごと衛兵へ回った。その所見はなぜか、城下で美食評として写本され始めた。
そして最初の非番の日——王宮から使いが駆け込んでくる。殿下の膳が、出ないのです、と。
検めてもらえるのが当たり前だと思っていた方と、検める舌に値札を
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