概要
事務連絡のはずが、恋文あつかいでした。
わたしの仕事は、国境で戦う兵隊さんたちへ領地の品を送ること。荷札のついでに、一筆添えるのが癖でした。
『毛布は二枚重ねてお使いください。一枚より、ずっと暖かいので』
『塩の樽は上の段へ。下に置くと湿気ります』
返事は毎回、たった一行。『助かった。』
三年続けて、戦争が終わりました。そうしたら、大きな黒い馬に乗った大きな将軍さまが、まっすぐうちの門に来て、こう言ったのです。
「三年間、あなたの手紙で生きていた。結婚してほしい」
待ってください。わたし、あなたのお顔を今日初めて見ました。
……手紙では、あんなにお話しできたのに。お会いすると、お互いひと言も出てこないのです。
『毛布は二枚重ねてお使いください。一枚より、ずっと暖かいので』
『塩の樽は上の段へ。下に置くと湿気ります』
返事は毎回、たった一行。『助かった。』
三年続けて、戦争が終わりました。そうしたら、大きな黒い馬に乗った大きな将軍さまが、まっすぐうちの門に来て、こう言ったのです。
「三年間、あなたの手紙で生きていた。結婚してほしい」
待ってください。わたし、あなたのお顔を今日初めて見ました。
……手紙では、あんなにお話しできたのに。お会いすると、お互いひと言も出てこないのです。
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