概要
竜は人に跪かない。ただ一人、俺の前を除いて──
「向いてるかもしれないしね」笑って屋敷を去ろうとした、その夜──空が百の竜で埋まった。
王都を覆う古代竜の群れ。だが竜たちは誰も焼かず、ただ一人の男の前で、一斉に膝を折る。彼こそは竜王エチゴンと契約し、世界を滅ぼしかけた竜災をたった一人で鎮めた、人と竜の「調停者」。人の帳簿に載らないその男は、世界の帳簿では最重要人物だった。
竜殺しの家名を誇った御曹司は本物の竜を前に失禁寸前。人を家柄で測ってきた令嬢は、価値基準が音を立てて崩れていく。そして竜王の背に乗り旅立とうとするカイを、王女とエルフの使節が引き止めて──。
見下された便利屋が世界の頂から求められる、痛快・成り上がり譚。
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