概要
補給を切った報い、兵站担当が耳を揃えて回収します。
「戦えない奴に用はない」――冒険者パーティ「暁の剣」の兵站担当ロラン・ヴェイスは、遠征前夜、リーダーのジークハルトから追放を言い渡された。手元に残ったのは剣ではなく、輸送量と消費速度を計算し続けてきた帳簿だけ。誰も見向きもしなかったその帳簿が、飢えかけた辺境の駐屯地では餓えを防ぎ、峠を越える商隊では遭難を未然に食い止める実務の力だと、雇われ先を変えるたびに証明されていく。半年後、兵站を切り捨てたまま迷宮最深部への大遠征を強行したジークハルトの部隊は、消息を絶った。捜索隊への協力を頼まれたロランが会場に持ち込んだのは剣ではなく、追放前から積み上げてきた消費予測の記録――そこには、遠征が破綻する日付がすでに書き込まれていた。ロランは自らその記録を突きつけ、遠征失敗の責任がジークハルト自身の兵站軽視にあったことを証明する。
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