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概要
剣より強い一冊の帳簿。数字は、嘘を許さない。
剣も魔法も使えない王国財務院の下級書記官ロラン・メルシエ、二十二歳。唯一の才能は、帳簿の数字に潜む矛盾が"淀み"として視える微弱な魔術――亡き母から継いだ「帳簿魔術」だけ。書庫で写本に明け暮れる日々だったが、蝋燭三百本の小さな横領を見抜いたことで、現場主義の監査騎士エステルに見出される。数字の糸を辿るたび、横領は軍需の水増しへ、やがて王国中枢の陰謀へ。完璧すぎる十年前の遠征戦費。毎年ぴったり同じ鉱山の産出量。そして母が王宮会計士だった過去。剣ではなく検算で、魔法ではなく突合で、日陰の下級官吏が王国の嘘を暴いていく。毎話ひとつの帳簿の謎が解ける、理詰めの宮廷お仕事ファンタジー。
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