淡々とした文章で描かれる、あまりにも暑く、あまりにも汚い八月の国道沿い。片方だけのサンダル、蝉の死骸、鼻護、そして空を飛ぶ天狗。どれも妙に具体的なのに、登場人物たちは驚くほど気にしない。この「何かがおかしいのに、誰も気にしていない」感じがたまらなく面白いです。淡々としているからこそ、シュールな光景がじわじわ効いてくる。読んでいるうちに、この世界ではこれが普通なのかもしれないと思えてくる、不思議な一編です。
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