概要
鬱の鎧を纏った僕と世界を繋ぎとめるのは、化け猫少女の金縛りだった。
鬱とに苦しみ、脳が世界と「通信障害」を起こしたような日々を送る、30代の「僕」。
暗い部屋で一人うずくまる彼の傍らには、化け猫の少女「呼子(よぶこ)」がいた。
かつて中学生の僕が事故現場で救えなかった子猫の幽霊である呼子は、時にヤスリのような舌で頬を舐め、時に嫉妬で狂気を見せ、時に幻想的な夢の祭りへと僕を誘う。
「二人でだめになりましょう」と耳元で囁く彼女との時間は、病に逃避する僕にとって甘美な救いだった。
ある日、久しぶりに外へ出て二人でカラオケへ向かった帰り道、僕は「鬱が治り、彼女が成仏してしまったらどうしよう」という恐怖に苛まれる。回復することすら恐れ、不健康なままで彼女といたいと願う歪んだ愛。
「轢かれる、あぶないわよ」
背後から迫る自転車から僕を救ったのは、やっぱり呼
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