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概要
届かなかったはずの手紙が、夏の終わりに恋を連れ戻す。
## 提示・廃棄期限の手紙に七年前の恋人の筆跡を見つける 瀬戸口健吾が勤める小さな郵便局の倉庫には、夏の盛りにもかかわらず、冷え切った空気が漂っていた。統廃合の決定が下されてから、局内の時間は緩やかに、しかし確実に停滞している。古い木製のカウンターには、日焼けしたポスターと、日付の止まったカレンダーが申し程度に飾られているだけだ。健吾は、裏手の薄暗い倉庫で、宛先不明郵便物の棚卸しをしていた。埃っぽい空気と、紙とインクの匂いが混じり合う。廃棄期限を迎える郵便物は、この場所でひっそりと最後の時を待つのだ。 「瀬戸口、今日の午後までだからな。廃棄印の準備しとけよ」 局長の声が、倉庫の奥まで響い
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