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概要
送ることに一生を捧げた男が、初めて、送られた。
すべての魂を異世界へ送ってきた男がいた。名はない。魂たちは彼を「送り火」と呼ぶ。手で送り、指で綴じ、喉で呑み、腕で預け、耳で測り、目で値付け、声で悼み、背で捨てる——八つの器官で、彼は魂を送り続けた。だが彼自身は、一度も送られたことがなかった。一度も、名付けられたことがなかった。そんな彼の前に、台帳の一番下に「該当なし」と記された少女が現れる。彼女は彼を送らない。彼女は彼に問う。「あんたは、なんと呼ばれたい?」——送ることに一生を捧げた男が、初めて受け取られる物語。
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