概要
一人の天才の時代を、五人の凡音が終わらせる
この世界の魔法は「歌」だ。ただし、二人以上で同時に歌えば音律が濁り、暴発する。だから魔法は独唱——一人の天才が歌うものと、百年前から決まっている。
王宮詠唱団で十年、俺は「拍取り係」だった。歌えない代わりに、団の全員の歌を拍で支える人間メトロノーム。だが魔力測定の結果はゼロ。「音を持たない者に詠唱団の席はない」と、俺は追放された。
その夜、路地裏で暴発しかけた少女の歌を、俺は無意識に「指揮」して止めてしまう。魔力ゼロの俺の耳は、どんな音律も濁りなく聴き分ける「無色の耳」だった。
音痴の天才、早口の元軍人、声の出ない笛吹き。一人では歌えない落ちこぼれたちの音を重ねたとき、この世界で誰も聴いたことのない魔法——《合奏魔法》が生まれる。
王宮詠唱団で十年、俺は「拍取り係」だった。歌えない代わりに、団の全員の歌を拍で支える人間メトロノーム。だが魔力測定の結果はゼロ。「音を持たない者に詠唱団の席はない」と、俺は追放された。
その夜、路地裏で暴発しかけた少女の歌を、俺は無意識に「指揮」して止めてしまう。魔力ゼロの俺の耳は、どんな音律も濁りなく聴き分ける「無色の耳」だった。
音痴の天才、早口の元軍人、声の出ない笛吹き。一人では歌えない落ちこぼれたちの音を重ねたとき、この世界で誰も聴いたことのない魔法——《合奏魔法》が生まれる。
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