人が消えていく静かな終末世界を、感傷を抑えた淡々とした文体で描いた物語です。かつての教え子への「無関心」を貫けなかった苦い記憶と、出会った少女・千夏との束の間の交流が、押しつけがましくない距離感で綴られていて、静かな余韻を残します。ロケットに母の写真を収める場面や、「私が見ている間は消えない」という言葉のさりげない優しさに、じんわりと心を掴まれました。荒涼とした世界観の中に漂う喪失と、それでも誰かと繋がろうとする不器用な気持ちの描写が印象的です。静かな終末もの、感情を丁寧に掬い取る文学的な作品が好きな方におすすめです。
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