祖母の遺品から立ちのぼる線香の煙が、過去の自分と家族の記憶を呼び起こし、主人公の存在そのものを侵食していく描写が圧巻です。「形を失うこと」の冷たさと孤独が、静かな筆致で深く胸に残る、余韻の長い幻想譚です。
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