概要
この町の女神さまは、あたしの姉ちゃんだ。
麦の実りが絶えない町。その恵みは、聖堂に座す豊穣の女神アルヴェナのものだとされている。
シャッチ、十五歳。スリ。男として生きて七年になる。
月に一度、供物蔵に忍び込むのが飯の種だ。だがその夜、いつもは錠の下りている扉が開いていた。その先で見たのは、司祭たちが唱和で白い巨躯を「座らせて」いる光景だった。
翌日、シャッチは酔っぱらいの流れ者ロウに絡まれる。元教会の人間を名乗るその男は、こう言った。
——ある神様の名前を探している。ついでに、見舞いにな。
女神アルヴェナは、七年前に「御目に留まった」シャッチの姉である。
あの日から、シャッチは一度も拝みに行っていない。
「姉ちゃんに会いたくなっちゃ駄目なのか?」
教会は物語で神を造る。
ならば——こちらは物語で、人間に戻す。
シャッチ、十五歳。スリ。男として生きて七年になる。
月に一度、供物蔵に忍び込むのが飯の種だ。だがその夜、いつもは錠の下りている扉が開いていた。その先で見たのは、司祭たちが唱和で白い巨躯を「座らせて」いる光景だった。
翌日、シャッチは酔っぱらいの流れ者ロウに絡まれる。元教会の人間を名乗るその男は、こう言った。
——ある神様の名前を探している。ついでに、見舞いにな。
女神アルヴェナは、七年前に「御目に留まった」シャッチの姉である。
あの日から、シャッチは一度も拝みに行っていない。
「姉ちゃんに会いたくなっちゃ駄目なのか?」
教会は物語で神を造る。
ならば——こちらは物語で、人間に戻す。
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