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概要
――もう戻れない、戻らない。甘くて怖い、人外と少年の夏休み。
「見たら死ぬぞ」
夏休み、祖父の住む田舎へ預けられ、不貞腐れる十三歳の黒瀬透は、山で白い面をつけた少年と出会った。
名前のない彼を、透は季節にちなんで「ナツ」と呼ぶ。
山のことは何でも知っているのに、人間の暮らしには疎いナツ。
ラムネの開け方も、水鉄砲も、祭りの綿あめも、木々の隙間から見る花火も、透が持ち込むものをひとつずつ覚えていく。
透は成長し、ナツは変わらない。
毎年重ねた夏は、少しずつ二人の間に戻れないものを積もらせていく。
高校卒業を控えた夏、ナツは突然告げる。
「もう来るな」
ちょっと不思議で口の悪いお面の少年と、口の悪いクソガキ少年。
二人が毎年重ねた、夏の時間。
――そして、その夏はいつか、喚び戻される。
「だから言ったのに。『死ぬぞ』って」
「なあんも、わかっ
夏休み、祖父の住む田舎へ預けられ、不貞腐れる十三歳の黒瀬透は、山で白い面をつけた少年と出会った。
名前のない彼を、透は季節にちなんで「ナツ」と呼ぶ。
山のことは何でも知っているのに、人間の暮らしには疎いナツ。
ラムネの開け方も、水鉄砲も、祭りの綿あめも、木々の隙間から見る花火も、透が持ち込むものをひとつずつ覚えていく。
透は成長し、ナツは変わらない。
毎年重ねた夏は、少しずつ二人の間に戻れないものを積もらせていく。
高校卒業を控えた夏、ナツは突然告げる。
「もう来るな」
ちょっと不思議で口の悪いお面の少年と、口の悪いクソガキ少年。
二人が毎年重ねた、夏の時間。
――そして、その夏はいつか、喚び戻される。
「だから言ったのに。『死ぬぞ』って」
「なあんも、わかっ
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