概要
時は室町。烈日に焦がされた大地で独り雨を乞い、念仏する僧がいた。
【縦読み推奨】【完結】
時は室町、応永二八年。大干魃(だいかんばつ)が日本を襲う。
蓮水和尚は雨乞いの百万遍念仏に入った。
御堂の中にて独り座し、ひたすら念仏を唱えるのである。
黄塵舞う激烈な暑気は、一切の生命を貪り尽くし、寂寞の大地を露天させていた。
最早、猶予はない。
されど仏は蓮水へ試練を課す。
待たれど待たれど、雨足は未だ聞こえぬ。
灼熱の刻が過ぎる中、御堂へ或る男が来訪した───
カクヨム甲子園参加作品です。
時は室町、応永二八年。大干魃(だいかんばつ)が日本を襲う。
蓮水和尚は雨乞いの百万遍念仏に入った。
御堂の中にて独り座し、ひたすら念仏を唱えるのである。
黄塵舞う激烈な暑気は、一切の生命を貪り尽くし、寂寞の大地を露天させていた。
最早、猶予はない。
されど仏は蓮水へ試練を課す。
待たれど待たれど、雨足は未だ聞こえぬ。
灼熱の刻が過ぎる中、御堂へ或る男が来訪した───
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一切皆苦、諸法無我
寂寥とした空気を纏った文体と、それを支える確かな表現力が魅力的な歴史短編です。
古風な語り口が単なる雰囲気づくりに留まらず、室町という時代や仏教観と見事に噛み合っていて、読み進めるほど世界へ引き込まれました。
とりわけ侍の内心の描写が素晴らしいです。
刀という魂を手放せない矛盾と葛藤、しかしながらそれも困窮ゆえに手入れすらおろそかになっていっている様子など一つ一つの描写に文学的な味わいがあり、とても好みでした。
非常に密度の高い文章でありながら読後感は重すぎることはありません。
ただ語彙が豊富というだけでなく、リズムがいいからでしょうか。
安易な奇跡や救済といった答えを提示することのない締…続きを読む