概要
消したのは、彼女の怒りだった。
恋人の心路が死んで一ヶ月。
月島巡の指輪型記憶デバイス〈レコード・リング〉には、彼女との共有ログが今も残っている。
笑ったこと。怒ったこと。くだらない会話。返せなかったメッセージ。
その中に、一件だけ非公開になっている編集履歴があった。
そこには、巡が目を背けてきた「あの夜」の記録が残されていた。
やがて記録の中から現れた彼女は、巡に問いかける。
「あの夜、何した?」
これは、死んだ恋人を取り戻す物語ではない。
なかったことにした感情を、もう一度受け取り直すための恋愛SF。
月島巡の指輪型記憶デバイス〈レコード・リング〉には、彼女との共有ログが今も残っている。
笑ったこと。怒ったこと。くだらない会話。返せなかったメッセージ。
その中に、一件だけ非公開になっている編集履歴があった。
そこには、巡が目を背けてきた「あの夜」の記録が残されていた。
やがて記録の中から現れた彼女は、巡に問いかける。
「あの夜、何した?」
これは、死んだ恋人を取り戻す物語ではない。
なかったことにした感情を、もう一度受け取り直すための恋愛SF。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『レコード・エンド』、読み終えて胸がいっぱいになりました。
『レコード・エンド』、読み終えて胸がいっぱいになりました。
「共有ログ」という設定がただのSF的な小道具で終わらず、二人の関係そのものを映す鏡になっているのが本当に見事だと思いました。生きていた頃には交わせなかった言葉が、亡くなった後の時間でようやく交わされていく展開に、何度も胸が締め付けられました。
特に、巡が「今のほうがちゃんと話せている」と気づいてしまう場面。その痛みと後ろめたさの描き方が本当にリアルで、失ってから初めて向き合えるという皮肉さが、静かな筆致の中にじんわりと沁みてきました。
心路の言葉選びがとても愛らしく、軽口の奥に本音が透けて見える会話のテンポも心地よかったです。…続きを読む