概要
夫の黒瀬拓真が、失踪していた「妹」を、とうとう家へ連れて帰ってきた
夫の黒瀬拓真が、失踪していた「妹」を、とうとう家へ連れて帰ってきた。
前世の私は、彼女が子どもを抱き、古びた荷物を引きずって玄関に立っているのを見て、放っておけなかった。だから東京・世田谷に買ったばかりの新居へ入れてやった。けれど彼女は、家に来たその夜から、拓真と一緒に主寝室で眠りたいと言い出した。
「美咲お義姉さん、私とお兄ちゃんは三年分の家族の時間を失ったんです。ちゃんと取り戻さなきゃ、だめですよね?」
後になって、私は知った。彼女は拓真の実の妹などではなかった。黒瀬由依――拓真の初恋の女だった。そして彼女が抱いていた大翔も、私の甥などではなく、由依と拓真の息子だった。
私は二年間、不妊治療を続けた末に、ようやく子どもを授かった。けれど大翔は、医師から出されていたビタミン剤を、出ど
前世の私は、彼女が子どもを抱き、古びた荷物を引きずって玄関に立っているのを見て、放っておけなかった。だから東京・世田谷に買ったばかりの新居へ入れてやった。けれど彼女は、家に来たその夜から、拓真と一緒に主寝室で眠りたいと言い出した。
「美咲お義姉さん、私とお兄ちゃんは三年分の家族の時間を失ったんです。ちゃんと取り戻さなきゃ、だめですよね?」
後になって、私は知った。彼女は拓真の実の妹などではなかった。黒瀬由依――拓真の初恋の女だった。そして彼女が抱いていた大翔も、私の甥などではなく、由依と拓真の息子だった。
私は二年間、不妊治療を続けた末に、ようやく子どもを授かった。けれど大翔は、医師から出されていたビタミン剤を、出ど
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