概要
亡き王妃のための朝餉を、毎朝ひとり、誰かが食べに来る——影竈番の俺は、
亡き王妃のための朝餉を、毎朝ひとり、誰かが食べに来る——影竈番の俺は、その客の名前を知らない。王宮「翡翠宮」の地下にある宮廷食堂。その奥、暦から消された『四番竈』に、見習い影竈番のミナト・カラトリは毎朝立つ。亡くなった先王妃のために用意される朝餉。誰が食べているのかは、決して見てはならない——それが七年続いた掟だった。ある朝、見知らぬ少女ユキネが、まだ湯気の立つその朝餉を平らげていた。『王妃様のお口に合うか、確かめにきました』——彼女はそう微笑む。なぜ七年も四番竈は維持されているのか。王妃の死には、宮廷食堂の奥に眠るどんな真実が絡んでいるのか。これは、湯気の向こうに残された一杯の朝餉と、それを継ぐ少年少女の、静かな日常の物語——。
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