疑似ドキュメンタリーという形式選択が抜群に効いています。1420MHzの水素線、素数の羅列、多次元幾何フォーマット——本物のSETIを思わせる緻密な導入で「宇宙規模の窃盗罪の警告か」と読者を戦慄させておいて、第二信号でそれが誤送信、しかも失くしたプロテインゼリーの話だったと明かす落差が最高に可笑しい。疲れ切ったシュミット博士の淡々とした語り口が、荘厳さと馬鹿馬鹿しさのギャップを一層引き立てています。人類初のファーストコンタクトへの返信まで含めて、綺麗に決まった一編でした。
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