概要
「今日から貴様は、同胞を喰らう猟犬だ」檻に神を囲う人の業。
明治初期の東京。
文明開化の波が押し寄せる時代、新政府は近代化へ向けて突き進んでいた。
その一方で、妖による被害は増加の一途を辿る。
事態を重く見た明治政府は、太政官直属の『対魔省』を設立、率いる対魔卿『阿武厳哉(あんのげんや)』は、ある日、古寺で一匹の美しき妖異を拾う。
阿武は妖の首に『鉄輪』の枷を嵌め、己の道具として従えた。
「今日から貴様は、同胞を喰らう猟犬だ」
鉄の軍律を体現する主と、すべてを受け入れたように微笑む大妖『千歳(ちとせ)』。
阿武は妖に『紫流(しずる)』と人の世の名を与え、猟犬とした彼を戦場に連れ出すのだった。
明治初期の激動の時代を舞台に描く、人と妖が紡ぐ業深き主従譚。
【注意】
各所に流血描写、残酷描写、性描写(◆)を含みます。
文明開化の波が押し寄せる時代、新政府は近代化へ向けて突き進んでいた。
その一方で、妖による被害は増加の一途を辿る。
事態を重く見た明治政府は、太政官直属の『対魔省』を設立、率いる対魔卿『阿武厳哉(あんのげんや)』は、ある日、古寺で一匹の美しき妖異を拾う。
阿武は妖の首に『鉄輪』の枷を嵌め、己の道具として従えた。
「今日から貴様は、同胞を喰らう猟犬だ」
鉄の軍律を体現する主と、すべてを受け入れたように微笑む大妖『千歳(ちとせ)』。
阿武は妖に『紫流(しずる)』と人の世の名を与え、猟犬とした彼を戦場に連れ出すのだった。
明治初期の激動の時代を舞台に描く、人と妖が紡ぐ業深き主従譚。
【注意】
各所に流血描写、残酷描写、性描写(◆)を含みます。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!~「藤が散る前に、人の名をもらった」~
冒頭の一文から、圧倒される。月のない夜、濃紫の霧、漆黒の軍装の男、そして藤の装束をまとう美しい異形。まるで版画のように研ぎ澄まされた情景描写が、第一章から最後まで一切緩まない。宵凪さんの文章はとにかく「絵が見える」のだ。
阿武と紫流の関係性が秀逸なのは、支配と従属という冷酷な構図の中に、阿武自身の揺らぎがじわじわと滲んでいくからだ。喉に切っ先を突きつけておきながら引いてしまう瞬間、髪を断ち切りながらも名前を与える行為。加害であるはずの手つきが、いつの間にか保護に変わっていく。その転化が説明されずに描写だけで伝わってくる巧みさは、作者の筆力の賜物だ。
紫流というキャラクターも特別だ。千年を生き…続きを読む