概要
嘘をついていたのに、あの夜だけは本物だった。
"ミユ"になったのは、たまたまだった。
名前の入力欄に、女の名前を入れただけ。
それだけのことが、ボクの夜を変えた。
クラスでは誰にも話しかけられない。
家では透明人間みたいに生きている。
でも"ミユ"としてなら、誰かが待っていてくれた。
ひかりは言った。
「ミユさんがいてくれて、よかった」
その言葉が、嬉しかった。
吐き気がするほど、胸を締めつけた。
──ひかりは知らない。
"ミユ"の正体が、冴えない男子高校生だということを。
──ボクも知らない。
ひかりが本当に"女子高生"かどうかも。
それでも、つながっていた。
嘘の中にしか、本当がなかった。
これは、存在しない誰かを愛した話だ。
そして、存在しない誰かとして、
誰かに愛された話だ。
いつも応援ありがとうございます。
いっしょに私の世界観を共有できたら幸いです
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