瀬尾さんの作品群の中で、これは最も美しい追悼文です。80年代ニューヨークで活躍し、90年代東京のクラブシーンを牽引したDJ中村直。彼の死から15年が経った今も、著者は夜になるとレコードに針を落とすその1209文字に、二人で過ごした時間のすべてが詰まっています。珈琲とマルボロライト、山と積まれたレコード、金曜の夜のタクシー。実験的な前衛作品とは全く異なる、静かで誠実な一作。瀬尾さんという書き手の、もう一つの顔がここにあります。
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