概要
それぞれが掲げる正義が、戦争と国家崩壊を招く
生まれた時から、宿命を背負った人間は存在する。
現代の価値観で彼らの生き方を測ることは、果たして正しいのか。
思想、戦術、政治のリアルに切り込んだ、硬派なる架空歴史ドキュメンタリー。
ナレーション風の語り口が、より冷徹な言葉となって突き刺さる。
混迷を極め、国内の安定が失われたリンゼン帝国。
乱れた世を平定するため、義勇軍を率いて立ち上がったカイゼル・ハワードは、やがて大陸の西方を統治し、ハワード王国を築き上げた。
十年の平和の後、徐々に国力を回復しつつあった帝国は、わずか十歳の女皇帝イストリアの即位を契機に、大陸再統一という悲願に向けて兵力を結集する。
それは皇帝自身の意志とは無関係に動き出した、巨大な国家の慣性であった。
大軍を迎え撃つハワード王国の軍議は紛糾し、カイゼル王も悲
現代の価値観で彼らの生き方を測ることは、果たして正しいのか。
思想、戦術、政治のリアルに切り込んだ、硬派なる架空歴史ドキュメンタリー。
ナレーション風の語り口が、より冷徹な言葉となって突き刺さる。
混迷を極め、国内の安定が失われたリンゼン帝国。
乱れた世を平定するため、義勇軍を率いて立ち上がったカイゼル・ハワードは、やがて大陸の西方を統治し、ハワード王国を築き上げた。
十年の平和の後、徐々に国力を回復しつつあった帝国は、わずか十歳の女皇帝イストリアの即位を契機に、大陸再統一という悲願に向けて兵力を結集する。
それは皇帝自身の意志とは無関係に動き出した、巨大な国家の慣性であった。
大軍を迎え撃つハワード王国の軍議は紛糾し、カイゼル王も悲
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その視線の先に、人が生きる「国」がある。
八歳の少年が、十万の軍勢を相手に戦術を立てる。
その一点だけで読む手が止まる。しかしこの作品の本当の怖さは、少年が戦場で勝つことではない。勝った後に何をするか、をすでに考えているところにある。
アウグストは天才と呼ばれる種類の人間だが、嫌味がない。驕らず、父王を立て、兵の命を数字として見ない。それでいて盤面全体を、誰よりも遠くまで見ている。読んでいると、この少年の視界に入りたくて、ページを繰る手が速くなる。
戦争が終わり、講和の席に向かうアウグストの目に映るのは、同じ年頃の少女だ。
だが少年は少女を見ていない。女帝を見ている。
どれほど幼くとも、彼らは国の未来を背負っており、子どもであるこ…続きを読む