概要
可愛いと思えない——それでも、ここにいる。
真帆の赤ん坊は、泣き止まない。
午前二時、三時間抱き続けても理由がわからない。夫はロンドン出張中。母乳は出るのに咥えてもらえず、乳首は裂けて血が滲む。「可愛い」と言えない自分を責めながら、同じ軌道をリビングで往復する夜が続く。
ある深夜、部屋の隅に光る生き物が現れた。「ぼくはポム」。泣き声を「音波による存在証明」と呼び、抱っこを「重力共有行為」と呼ぶ、感情も関係性も持たない不思議な存在。ポムの的外れな言葉は何も解決しない。でも少しだけ、息ができるようになった。
母になれない自分と、母になれなかったかもしれない自分の母。押し入れの奥の母子手帳には、事務的な記録だけが並んでいる——その最後のページの隅に、小さな絵が描かれていることを、真帆はまだ知らない。
※本作品は小説家になろうにも掲載しています。
午前二時、三時間抱き続けても理由がわからない。夫はロンドン出張中。母乳は出るのに咥えてもらえず、乳首は裂けて血が滲む。「可愛い」と言えない自分を責めながら、同じ軌道をリビングで往復する夜が続く。
ある深夜、部屋の隅に光る生き物が現れた。「ぼくはポム」。泣き声を「音波による存在証明」と呼び、抱っこを「重力共有行為」と呼ぶ、感情も関係性も持たない不思議な存在。ポムの的外れな言葉は何も解決しない。でも少しだけ、息ができるようになった。
母になれない自分と、母になれなかったかもしれない自分の母。押し入れの奥の母子手帳には、事務的な記録だけが並んでいる——その最後のページの隅に、小さな絵が描かれていることを、真帆はまだ知らない。
※本作品は小説家になろうにも掲載しています。
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