ホームズとワトソンが現代の箱根に現れる、というツカミがまず楽しい。ほんわかした空気感のなか、現代文明に違和感なく順応していく二人のおかしみが、ユーモアミステリーとしてしっかり立っています。一方で、謎解きは軽妙なだけでは終わりません。真相には倫理的な余韻と文学的なフレーバーが残り、短編ながら侮れない構成。「あの女性」への目配せなど、ホームズファンも思わずニヤリとしてしまう、軽やかな作品です。
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