概要
痛みを消す石は、人を救わなかった。
地震のあと、国境近くの傭兵の街に黒い岩が現れた。
その岩に触れると、傷はそのままなのに痛みだけが消える。さらに周囲の土からは、見たこともない花が咲いた。
花には、人の恐怖や嫌悪を薄くし、気分を高揚させる作用があった。傭兵は花で前に出られるようになり、娼婦は客前で笑えるようになり、街の人々は無理を押して生きられるようになる。
だが、それは治療ではなかった。
壊れた身体を壊れたまま動かし続けるための、ごまかしだった。
やがて花には質の差があり、深い苦しみから咲く花ほど強く、高く扱われると知れわたる。すると街は少しずつ変わっていく。傷は治すものではなく、咲かせるものになり、苦痛そのものに価値がつき始める。
異常を見抜いた薬師イーサンは岩を壊そうとするが、街の人々は“救い”を守るため、彼を止
その岩に触れると、傷はそのままなのに痛みだけが消える。さらに周囲の土からは、見たこともない花が咲いた。
花には、人の恐怖や嫌悪を薄くし、気分を高揚させる作用があった。傭兵は花で前に出られるようになり、娼婦は客前で笑えるようになり、街の人々は無理を押して生きられるようになる。
だが、それは治療ではなかった。
壊れた身体を壊れたまま動かし続けるための、ごまかしだった。
やがて花には質の差があり、深い苦しみから咲く花ほど強く、高く扱われると知れわたる。すると街は少しずつ変わっていく。傷は治すものではなく、咲かせるものになり、苦痛そのものに価値がつき始める。
異常を見抜いた薬師イーサンは岩を壊そうとするが、街の人々は“救い”を守るため、彼を止