概要
宮廷画師として王城の壁画修復を担ったエレオノーラは、婚約者の公爵子息に「お前の絵は壁の染みだ」と蔑まれ追放された。彼女の去った後、公爵は壁画を白く塗り潰した。辺境に流れたエレオノーラは、崩れかけた教会の壁に聖女の絵を描いた。旅人が涙し、病人が癒され、やがてその絵は「辺境の奇跡」と呼ばれるようになる。3年後、王立美術院が彼女の絵を国宝候補に推薦。同時に、公爵家が塗り潰した壁画の下から、エレオノーラが密かに描いた建国王の肖像が発見される。建国王の唯一の肖像画——それを「壁の染み」と呼んだ男の顔を、社交界は忘れなかった。
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