概要
深川の夜―泣くも笑うも、人の縁さね―
浮世の冷たい川風に吹かれ、黒羽織で粋を隠すを心情とし、銀簪を鬢に差して生きる辰巳芸者・胡蝶。江戸の町に渦巻くのは、色と欲と、どうにもならぬ人の情。あっしはそれを自らの言葉で語り下ろしやす。帯の柄、季節の匂い、言葉にならぬ心の揺れまで―深川三花が綴る「粋な遊び」は、いつしか一編の人情噺に。『はてなブログ』にて連載中の物語を、辰巳の女 胡蝶の一人称視点で再構築した、『―辰巳の女 胡蝶夜の覚え書き―』
辰巳の女『胡蝶』が綴る覚え書きでござんす。
辰巳の女『胡蝶』が綴る覚え書きでござんす。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!深川芸者の黒羽織に秘めた情け。極上の江戸人情噺。
「さあさ、旦那様。今宵もあっしの語りにお付き合いを――」
舞台は江戸・深川。
黒羽織に素足の「粋」を貫く辰巳芸者・胡蝶(こちょう)が語る、
義理と人情のお話です。
華やかなお座敷での粋な駆け引き。
そして、裏木戸の奥で不器用な疑似家族たちと育む温かな情け。
季節の移ろいを映す美しい着物の描写や三味の音色とともに、
哀しくも愛おしい人間模様が綴られます。
極上の熱燗を傾けるように、
ゆっくりと味わいたくなる江戸情緒溢れる物語。
3. この作品の大きな魅力
圧倒的な美意識:各話の冒頭で描かれる季節の装い(縮緬、献上帯、翡翠や真珠の帯留め等)が、主人公の情景や心理描写と見事に重なり合…続きを読む