第4話 子宝の薬

「『真如伝〜紫禁城で涙に暮れる復讐の王紀』の第40話『子宝の薬』という話が本当に今の世相を表しているのよ」


 白鷺しらさぎデータサイエンス大学付属小、中、高等部の校長である薬師御言やくしみことは、再び、テレビドラマの話をし始めた。

 飛騨亜礼先生、メガネ先生もアイスコーヒーを飲みながら、立川市の伝統野菜の「東京うど」が入ってる、名物のお茶菓子の『うどパイ』を食べていた。


「この先帝の妻の皇太后こうたいごうは大体、皇帝や主人公の皇后の敵役として物語に絡んでくる。皇太后の息がかかったいわばスパイの徐貴人という妃がいるけど、この子は皇帝が好きすぎてポンコツスパイになっていてて、面白いわ。でも、実は皇帝からは『子宝の薬』だと言って、『身体を損なわないゆるやかな避妊薬』を与えられている。皇帝も自分を好きで尽くしてくれる徐貴人(上から五番目の序列の妃嬪ひひん)に害意はないが、されとて、子供が出来て情が移れば、皇太后こうたいごうのいいなりになってしまい、自分の政治が出来なくなる。そこで、なるべく、子供ができないように自分の侍医に『ゆるやかな避妊薬を子宝の薬』だといって処方させている」


「怖いですね。後宮の妃嬪ひひんは皇帝に対する『ハニートラップ』で、皇帝を動かそうとする臣下の送り込んだ人間兵器であり、スパイでもあるんですね」


 メガネ先生が歴史マニアの側面を発揮して解説してくれた。

 なかなかの切れ味である。


「更に、皇帝はあまり台頭しては困る家臣の娘である孫貴妃(上から二番目の序列の妃嬪ひひん)には『身体を損なうレベルの避妊薬という子宝の薬』を処方して、一生、懐妊できないようにしている。であるのに、表面的には孫貴妃を寵愛していて、妃の位は高く、裏で皇帝の侍医が孫貴妃の身体を管理し、寿命まで縮めている。ところが、今回、徐貴人が実は避妊薬である『子宝の薬』を辞めてしまって、まさかの懐妊をしてしまい侍医が皇帝に怒られてる訳よ」


「実に、ヤバい話ですね」


 メガネ先生は感想をいう。


「これを現代社会に例えたら、打つと一年程度、免疫が低下するインフルエンザお注射を庶民をテレビCMと御用医師で洗脳して接種させ、病気にかかりやすくして、お金儲けをする製薬会社がいる。更に、女性の癌が予防できるという某お注射で女性を一生、懐妊できなくするというか、薬害で車椅子になるという人口抑制が行われている。インフルエンザお注射は某豊成財団の助成で研究されていて、効果が全くなく、薬害しかないという結果が1980年代には出て、それを期に、日本では定期接種は無くなり任意接種になり、また、それを否定する論文が出て、テレビ洗脳で庶民はまた騙され、ほいほい冬になったら打ちまくっている。お注射打つから免疫が低下して、インフルエンザに罹ることを見抜ける庶民は二割ぐらいかな。これに後で気づいても、接種時に同意書にサインしてるし、任意接種だから、あくまで自己責任になる。騙される庶民が悪いという事になる」


「ただただ、ヤバい完全犯罪ですね」


 メガネ先生としてはそういう感想しか言えなかった。

 しかし、中華時代劇には現代社会の実際の陰謀が詰まってる。

 賄賂や献金だとか、ハニートラップで中国になびいたり、クルド難民やアフリカ移民を推進する日本の議員も多いし、世の中、最近、おかしくなってるし。

 飛騨先生は無言で、今度はどら焼きを食べている。

 平和である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

中華時代劇の効用 坂崎文明 @s_f

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ