趣味を超えたい

Mette Cristian.

趣味で終わらせたくないプライド

絵本作家になりたいと言った時、昔言われたことがある。

「趣味ならいいんじゃない?」


過去のエッセイでも紹介した津田梅子著の「まじめな会社員」の第2巻におまけで掲載されている「普通の人でいいのに!」という1話完結の物語がある。僕は本編も好きだがこの1話完結漫画がとても好きだ。

主人公は多趣味で、あらゆる文化人の影響を行きつけのBarで享受する。

しかしラストの盛り上がりで、自分の好きなものを「趣味」と言われたことに腹を立てて終わる。


今現在僕も、ただの多趣味な人間である。だからとても刺さった。真面目に向き合っていること、好きなことがお金に替えられなくてただの趣味から進化せずいる。


今僕は多趣味な人間であると公表している。生業として生産出来ていないから。でもいつか、いつかと思って制作や創作に励んでいる。


昔言われた「趣味で絵本書いたらいいんじゃない」という提案に、当時すごく腹を立てたことを思い出す。本気で絵本作家になりたかった自分に趣味と言われたことが腹が立ったのだ。だがしかし、実際今になってその言葉が重くのしかかる。


高校卒業してすぐから、僕は何かに打ち込んで突き詰めた人間になれていたら、違っていたのだろうか。…なんて言っても現実は変わらない。


最初から趣味を仕事に出来ていた人間に卑しい気持ちは全然ない。ただただ、もし、もしあの時なんて、一瞬考えてしまっただけで。


これからは僕は僕がしたいことをする、ただそれだけ。

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