それは確かに初恋だった

ハル

第1話

初めて見た時、キミの美しい長い銀の髪に目が奪われた。

学校の中庭にある、大きな桜の木の下で、キミはぼんやりとたたんずんでいた。

男性には珍しい、背中まである長い銀の髪が月明かりに照らされて、キラキラしていた。

そんなキミを見て、私の心臓は早鐘を打ってたのに、目が晒せなかったんだ。


きっとあの瞬間、私はキミに恋をした。初恋をしてしまったんだ。


そしてキミの近くに行きたいと願ったんだ。



「そんなこともあったなぁ」

「なにがだ?」


ぼんやりと月を見上げながら呟いた言葉に銀髪の彼が反応した。

だから私は彼に笑いかけて……


「秘密!!」


そう言って彼に抱きつく。

あの春の日にキミに恋をしたのは、まだ私だけの秘密。なんとなく言えないままだけど、このままでいい。

だって初恋の思い出は綺麗なまま、私の中で残したいんだよ。

だからこれからも私を愛してね?

大好きで私の初恋の銀髪のあなた……



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それは確かに初恋だった ハル @mana2931

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