イチャイチャ中大阪府警突入de修羅場

 今日はできたばかりの彼女とデート。しかも場所はなんと彼女の家! ドキドキするなあ!


 さっそく彼女の家に来たぞ! すごい! なんて豪邸なんだ。端から端まで50mくらいかな。高ーい柵に囲まれててて、真ん中に大きな門が立ってる。門の前には黒服の男が立ってるぞ! SPかな? 


「すみません……」

「彼氏様でしょうか」

「はい!」

「ではこちらへ」

 SPが門を開いてくれた。こんなすごい家の子の彼氏になったなんて信じられない。とりあえず中に入ろう!


 なんと赤じゅうたんが敷いてある! 僕のためかな? どうやら彼女の部屋まで続いているみたいだ。廊下の壁には額縁がかざってある。みんな険しい表情をしたおじさんだ。みんな先祖なのかな。


 果たして帰ることができるのかなというくらいお屋敷の階段を登ったり下ったりして、ようやく彼女の部屋にたどり着いた。

「こちらです。どうぞ」

 やっと会える! 部屋着の彼女、どんな感じなんだろう、ワクワクするなあ!



「うわあ! カイトくん! いらっしゃい!」

 かわいい! 寝巻き姿の美来谷さん! フードに猫耳。


「お邪魔します…」

 美来谷さんの隣に座る。何を話したらいいんだろう…。

「あれ? 緊張してるの?」

「い、いやあ…」

「これでも?」

 手を握ってきた。手汗が吹き出してくる。さらに近づいてくる。心臓が持ち堪えれないよ! 目を閉じて…。もしかして、もしかして?



 目を瞑ると外から物音がした。何かを叩く音。野太い声が叫んでる。


「なんだろう」

 美来谷さんが離れた。僕は目を開ける。美来谷さんが窓から外を見ている。僕も隣に立って外を見る。


「大阪や!」

「開けんかいコラァ!!」

 玄関の外に大量の警察官がいる。みんな怖い顔してる。

「開けてみろゴラァ!!」

 さっきのSPの人が応えてる。なんか雰囲気全然違う。



「姐さん!!」

 後ろから声がした。ドアが開いてここにも恰幅のいい黒服の人。

「サツが攻めてきやがりました、安全な場所へお連れいたしやしょう」

「いや、私も行く」

 え? 美来谷さん、なにその暗い顔? 声低くない?


 美来屋さんがフードを脱いだ。そのままボタンも外していく。そして寝巻きがはらっと落ち、背中があらわになった。


「えっ…」

 なんとそこには龍の刺青があった。

「さ、行くでえ」

「み、美来谷さん!?」

 美来谷さんはすたすたと部屋を出て行ってしまった。


 残るSPがこう言う。

「彼氏様、参りましょう」

「え? ぼくも?」

「彼氏様も立派な組の一員でございます。ともにこの屋敷を守るため戦いましょう」


 その時、チェーンソーの轟音とともに男たちのどよめきが聞こえてきた。

「さあ、行きましょう。お姐さんの身に危険があってもいいんですか?」

「…行きます」

行かないとはいえないよ。



 いざ、戦場へ!?

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1分de修羅場 ケーエス @ks_bazz

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